「自力でネズミを駆除したい」と思っても「本当に自分にできるかな?」と心配になりますよね。
この記事では、ネズミの罠の定番「粘着シート」を使ったネズミ駆除の方法を4つの章にわけて詳しく紹介します。
「自力でネズミ駆除をしたい」とお考えの方はぜひ最後までお読みください。
粘着シート購入時の4つのポイント
まず粘着シートを購入しましょう。
ホームセンターやドラッグストア、Amazonなどのネット通販で入手できます。
粘着シートの性能はとても重要なので、購入するときのポイントを4つ紹介します。
1.ネズミ専用であること
必ず「ネズミ専用」の粘着シートを購入してください。
虫取り用の粘着シートもありますが、粘着剤の強さや種類がまったく違います。
パッケージに「ネズミとりシート」と記載のあるものを選びましょう。
2.ブック型であること
ネズミ用の粘着シートには、本のように開いて使う「ブック型」と四角形や三角形の筒状になっている「ハウス型」の2種類があります。
ハウス型はホコリが多い場所にも置けるのがメリットですが、価格がブック型の2倍以上もするのでコストをかけたくない場合には向きません。
なおこの記事では「ブック型」の粘着シートの使い方を紹介します。
3.耐水性があること
粘着シートは紙製なので水濡れするとふやけてしまい、ネズミをうまく捕獲できません。
お風呂場や湿気の多い床下などで使いたい場合は必ず「耐水・防水タイプ」の粘着シートを選んでください。
4.たくさん用意する
粘着シートはたくさん使った方が効率的にネズミを捕獲できます。
価格は10枚入りでも「900円~1,000円」ほどなので少し多めに用意しておきましょう。
罠の効果を高める6つの準備
次に粘着シートで罠を作る準備をします。
やることは全部で6つ。
いずれもネズミの捕獲率を上げるのに大切な作業なので確実に行ってください。
1.新聞紙を用意する
新聞紙はネズミの足拭きマットに使います。
ネズミの足が油や水で濡れていると粘着シートにうまくかからないので、新聞紙で拭き取らせてから粘着シートを踏ませるようにします。
「ネズミの足が乾燥していると、捕獲率が最大で30倍上がる」という実験結果もあるので、新聞紙は必ず用意しましょう。
もし新聞紙がない場合は雑誌やフリーペーパーの紙面を切り取って代用できます。
2.手袋を用意する
粘着シートにふれるときは必ず手袋をつけましょう。
粘着シートに人間のにおいがつくと警戒して近寄らなくなってしまうからです。
3.粘着シートを平らにしておく
新品の粘着シートは本のように閉じるクセがついています。
床に置いたときに両端が跳ね上がってしまうとネズミをうまく捕獲できないため、なるべく平らになるようにクセを直しておきましょう。
4.ネズミのエサになるものを片付ける
ネズミのエサになるものは事前に冷蔵庫や戸棚に収納してください。
金属や硬いプラスチック製の容器に入れるのも効果的です。
エサを事前に断ってネズミを空腹にしておくと、食べ物で粘着シートにおびき寄せやすくなります。
5.整理・整頓する
整理・整頓して粘着シートを置くスペースを確保してください。
またネズミは物かげに隠れながら移動する習性があるため、隠れる場所を減らせば捕獲しやすくなります。
6.床を掃除する
粘着シートを置く床はできるだけきれいにしておきましょう。
先述のように、ネズミの足に水や油、ホコリがついていると粘着シートの粘着力が弱まり、せっかくかかったネズミを逃してしまうことがあります。
高確率でネズミが捕れる粘着シートの置き方8選
準備ができたら粘着シートで罠を仕掛けていきましょう。
ここではプロのネズミ駆除業者と粘着シートメーカーが推奨する、効果的な置き方を厳選して8つ紹介します。
1.新聞紙の上に置く
新聞紙を広げた上に粘着シートを置いて周囲にネズミの足拭きゾーンを作ると、捕獲率が格段に上がります。
足ふきゾーンの広さは、下図のように30センチほど確保するのが理想ですが場所に応じて調節してください。
2.ネズミがよく出る場所に置く
粘着シートは「ネズミがよく出るところ」や「ネズミの痕跡があるところ」に置くのが基本です。
例えば次のような場所です。
- ネズミのフン(黒っぽい米粒のような形)があるところ
- ネズミの姿を見たところ
- かじられた食べ物が置いてあったところ
- 鳴き声や走り回る音がするところ(天井裏や床下など)
- ネズミが逃げ込んだところの周り
- 出入口になっていそうな穴やすき間の周り
- 足跡や体毛があるところ
- かじられた跡があるところ(柱やドアなど)
上記のうち1~4の場所はとくにネズミがかかりやすいので優先的に置いてみてください。
3.部屋の角・隅・すき間に置く
もし「ネズミの姿は見ていないし、痕跡もないからどこに置いていいかわからない」という場合は、部屋の角・隅・すき間に置きましょう。
ネズミは本能的になるべく目立たないところを通って移動しようとするからです。
例えば次のような場所です。
- 壁ぎわ
- 台所の流し台の下
- 排水口のそば
- 食器棚やタンスの裏
- 冷蔵庫や洗濯機の裏
- 押し入れの中
せまいすき間へは、粘着シートを台紙のスリット(折れ目)に沿って「コの字型」に折り曲げてから置いてください。
4.すき間なくたくさん置く
粘着シートは3~10枚ほどすき間なく敷きつめて置きましょう。
たくさん置くことでネズミを捕獲しやすくなります。
また壁に沿って置く場合、粘着のない縁の部分が連続するとネズミの通り道になるので(図1)、1枚ごとに向きを変えながら置くとより効果的です(図2)。
天井裏や床下の場合、ネズミの鳴き声や走り回る音が聞こえる場所に置くのが理想ですが、
奥まで入るのが難しいときは点検口から手が届く範囲でなるべく多く置いてください。
5.数カ所へ同時に置く
粘着シートを敷きつめた罠を、数カ所へ同時に仕掛けると捕獲率が上がります。
例えば、
- 台所の床
- 流し台の下
- 廊下の壁ぎわ
- リビングの角
の4ヶ所に一斉に粘着シートを置くという感じです。
「ネズミの痕跡」があるところや「ネズミの通り道ではないか」と思われるところには、すべて粘着シートを置くのがポイントです。
6.エサと一緒に置く
エサと粘着シートを一緒に置くのも非常に効果的です。
もし粘着シートを置いたところがネズミの通り道でなかったとしても、エサのにおいに誘われて近寄ってくる可能性が高いからです。
エサと粘着シートの併用を推奨しないメーカーもありますが、プロのネズミ駆除業者がよく使う方法なのでぜひ試してみてください。
下の図はエサと粘着シートの配置パターンの例です。
(※画像をクリック・タップすると別ページで拡大画像が開きます)
配置のポイントは、粘着シートの上を通らないとエサを食べられないようにすることです。
ネズミは雑食なのでなんでも食べますが、とくに「お米(炊いていないもの)、さつまいも、とうもろこし」などを好みます。
またネズミにかじられた食べ物をエサにするのも効果的です。
ネズミの好物は以下の記事でも紹介しているので参考にしてください。
(参考記事)ネズミの好きな食べ物をまとめて紹介!好物を使った駆除方法も解説
7.日没から夜寝る前までに置く
粘着シートを初めて置くときは、日没から夜寝る前までに行いましょう。
ネズミは夜行性で、とくに人が寝静まる時間を見計らって活発に動き出すので、それに合わせて粘着シートを置くと捕獲率が上がります。
8.置いたらしばらく放置する
粘着シートを置いたら3日~1周間ほど放置して、粘着シートの存在にネズミを慣れさせましょう。
置いてすぐにかかることもありますが、基本的にネズミは初めて見たものを警戒するので、粘着シートを「見慣れたもの」と思うようになるまで待つと捕獲率が上がります。
放置している間は粘着シートを動かしたり触れたりせず、床下や屋根裏に様子を見にいくのも控えましょう。
もし台所など普段使うところなら、昼間は一旦片付けて夜寝る前に再度置くようにしてください。
ネズミが罠にかからないときの5つの対策
上で紹介したように粘着シートを置けば、早くて数時間から翌日までにネズミを捕獲できます。
しかしネズミの性格によっては1週間以上たっても罠にかからないことがあるので、そのときの対策を5つ紹介します。
1.置く場所を変える
粘着シートを置いて1週間以上たってもかからないときは、ネズミがその場所を通っていない可能性が高いので、置く場所を変えてみましょう。
部屋の角・隅・すき間、物かげに置くことを意識しつつ、フンや足跡などネズミの痕跡がないかも確認しながら新しい置き場所を決めてください。
2.置き方を変える
規則正しく置いていた粘着シートを広範囲にランダムに置いてみてください。(※下図参照)
1枚目の粘着シートを避けても2枚目の粘着シートにかかる、という具合にうまく捕獲できることがあります。
3.置く枚数を増やす
置き場所は変えず枚数を増やすのも効果的です。
たとえば、
- 1列で置いていた粘着シートを2列にする
- 床全面に敷きつめる
- 置く場所を増やす
という感じです。
4.エサを変えてみる
エサと粘着シートを一緒に置いている場合はエサの種類を変えてみてください。
ネズミは甘いものやピーナッツも大好きなので、お米に糖蜜やピーナッツバターをまとわせるなど、エサに一工夫くわえましょう。
また置かれたエサを「罠かもしれない」と警戒している可能性もあるので、エサを一度やめてみるのも有効です。
5.くん煙剤と組み合わせる
床下や屋根裏限定となりますが、ネズミ忌避用のくん煙剤を使う方法です。
ネズミが嫌がるハーブの成分が入った煙でネズミをパニック状態にさせ、逃げ回っているところを仕掛けた粘着シートで捕獲します。
においに鈍感なネズミには効きにくいですが、プロのネズミ駆除業者が使う方法の1つです。
ネズミ忌避用のくん煙剤はドラッグストアやAmazonで購入できるので、どうしてもネズミがかからないときは試してみてください。
自力駆除の限界ライン
上で紹介した方法を使い、試行錯誤すれば自力でもネズミ駆除は可能です。
実際、半年かけて自宅のネズミを完全駆除したという方もいます。
しかしネズミは学習能力が高いので次第に罠にかかりにくくなるなど、時間をかけるほど人間側が不利になるケースも意外に多いのです。
もし途中で次の5つのいずれかに当てはまったら、自力駆除は中断してプロのネズミ駆除業者へ依頼しましょう。
- 途中からネズミが罠にかからなくなった
- 肝心の親ネズミがどうしてもかからない
- 一旦駆除できても、別のネズミが侵入してイタチごっこになる
- ネズミによる被害がエスカレートしている
- ネズミのストレスで家族がイライラしだした
まとめ
今回は「高確率でネズミが捕れる粘着シートの置き方」を紹介しました。
とくに重要なポイントは、
- 新聞紙を広げた上に粘着シートを置く
- ネズミの痕跡がある場所に置く
- 部屋の角・隅・すき間、物かげに置く
- すき間なくたくさん置く
- エサと一緒に置く
- 3日~1周間ほど放置する
の6つです。
そのほか、粘着シートを選ぶポイントや事前準備、罠にかからないときの対策も自力駆除の成功に欠かせないので必ず行ってください。
完全駆除が理想ですが、途中で行き詰まったと感じたらプロのネズミ駆除業者を探して依頼してみましょう。
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ネズミ駆除でお困りの際は一度ご相談ください。
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