イタチとネズミの駆除方法の違いとは?生態・痕跡の違いや具体的な防除方法を解説!

害獣・害虫別

イタチ・ネズミともに人の家に勝手に上がり込み、さまざまな被害をもたらす害獣として認識されています。

害獣という点では共通しているものの、両者は生態や駆除の仕方が異なるため、対応する際は注意が必要です。

この記事では、イタチとネズミの生態・痕跡の違いや具体的な防除方法をご紹介します。

どちらも家屋に浸入しやすい害獣のため、違いを理解し徹底した対策を講じていきましょう。

イタチ・ネズミの生態の違いとは?

イタチとネズミは、同じ害獣と分類されているものの、その生態は大きく異なります。

本章にて、それぞれの生態の特徴をご紹介します。

イタチの生態

ただし、家屋に浸入し害獣被害をもたらすのは、ほとんどがシベリアイタチといわれています。
(在来種であるニホンイタチは、シベリアイタチによって数が減少しており、現在は準絶滅危惧に指定されている)

シベリアイタチの体長・体重は、オスとメスで若干異なり、オスのほうが大きいとされています。

  • オス:体長約28~39cm、体重約650~820gほど
  • メス:体長約25~31cm、体重約360~430gほど

食性は肉食寄りの雑食でなんでも口にするものの、特に小動物などを好んで食べる傾向にあります。

また、肉食寄りの食性をしていること・肛門腺の臭い分泌液でにおい付けをすることからフンの臭いが強烈であり、溜め糞の習性もあって悪臭被害や悪臭による健康被害が問題視されています。

加えて、イタチは非常に獰猛な性格をしている点にも注意が必要です。

人間のように自分より大きな生き物にも怯むことなく襲い掛かってくるため、見た目の可愛らしさに騙されて不用意に接近すると、噛みつきや引っ掻きなどで大怪我をする恐れもあります。

ネズミの生態

日本にもさまざまな種類のネズミがいますが、人家に浸入するネズミは「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類がほとんどあり、この3種を合わせて「イエネズミ」と呼ばれています。

体長・体重・性格は3種それぞれで異なり、加えて家の中で好んで生息する場所にも違いが見られます。

【ドブネズミ】

  • 体長    :約19~28cm
  • 体重    :約150~500g
  • 性格    :獰猛
  • 主な生息場所:床下

【クマネズミ】

  • 体長    :約15~24cm
  • 体重    :約150~200g
  • 性格    :警戒心が強い
  • 主な生息場所:天井裏

【ハツカネズミ】

  • 体長    :約6~9cm
  • 体重    :約10~25g
  • 性格    :敏捷
  • 主な生息場所:倉庫や物置

いずれも日本全域に広く分布しており、人の居住地に入り込み食べ物や生ごみをあさっていきます。

ネズミのもっとも注意すべき点は「常に何か硬いものをかじって前歯をすり減らす習性」です。

ネズミの歯は一生伸び続けるげっ歯類であり、放置していると前歯が伸び続けて口を塞いでしまい、食事ができずに餓死してしまいます。

コンクリートすらもかじって砕いてしまうこともあり、断熱材や家の柱などをかじられれば家の寿命を大きく縮めることになるでしょう。

また、家の中にある電気機器などの内部や通信ケーブルもかじるため、電気機器の故障や最悪の場合は火事にまで発展する恐れもあり注意が必要です。

雑食性で繁殖力が強く、一度棲みつかれると見えない所でその数がどんどん増えていくため、駆除はもちろん予防も徹底しておこなうべき害獣といえます。

イタチとネズミの痕跡の違い

イタチとネズミは、大きさや習性が異なることから、足跡やフンなどの痕跡にも違いが見られます。

本章でご紹介する特徴を理解し、どちらが棲みついているのかを把握できるようになると対策も取りやすくなるかもしれません。

イタチの痕跡

イタチの痕跡として残りやすいのは、足跡とフンです。

まず足跡のサイズは2~3cmほどで、害獣のなかでは比較的小さな部類に入ります。

足先には5本の指と小さな爪が確認でき、後ろ足は前足よりも1cmほどサイズが大きいとされています。また爪と肉球が離れた、梅の花びらのような形の足跡が特徴的です。

ただしイタチは体重が軽く、土の上にくっきりと足跡が残ることは早々ありません。
(5本の指すべてが跡に残らず、3・4本だけが視認できるなど)

次にフンですが、イタチは暗い場所を好むため、天井裏・床下・物置などに棲みつきフンをします。

大きさは5~6cmほどで黒っぽく、細くねじれている。さらに水っぽく小動物の毛などが含まれている点が特徴です。

上述の通りフンの臭いが強烈かつ溜め糞をする習性があるため、悪臭を感じた場合はイタチ(害獣)の存在に注意したほうがよいでしょう。

ただし、イタチに似た害獣としてアライグマ・ハクビシン・タヌキなどが挙げられますが、いずれも足跡やフンの特徴が似ており、素人が痕跡だけでどの害獣かを特定するのは難しいといえます。

いずれにせよ、上記のような痕跡が発見された場合は近くに害獣が潜んでいる可能性が高いため、プロの業者に点検を依頼することをおすすめします。

ネズミの痕跡

ラットサインの特徴は、主に以下の通りです。

  • フン    :アンモニア臭がする。黒っぽく、米粒~1円玉ほどの大きさをしている(ネズミは歩きながらフン尿をする性質がある)
  • 足跡    :前足4本・後足が5本で、大きさは2cmほど。足跡には尻尾のあとが付くことが多く、足跡の間に線を引いたような跡がよく残る
  • 黒いこすり跡:ネズミは隅に沿って歩く習性があり、同じ場所を何度も通ることでネズミの体に付着した汚れが壁にも付着する
  • かじった跡 :食べ物・木製の家具・家電のコードなどにかじられた跡がある など

ネズミは、人目につかない場所を壁に沿って隠れながら移動し、体が非常に小さいことから家の内外のいたるところが侵入経路となり得ます。

侵入経路を確認する際は、エアコンの導入口・天井裏・ブレーカー付近などの高い場所もチェックしておくとよいでしょう。

痕跡は被害に遭った箇所を調査すれば見つけやすくはあるものの、いずれにせよ何かしらの害獣が潜んでいる可能性が高いため、早急に対処を講じるべきです。

なお、イタチはネズミも捕食するため、イタチが棲みついているところはネズミの数が少ないといえます(害獣がどこに潜んでいるかにもよる)。

【要注意】イタチとネズミの駆除方法の違い

イタチとネズミは、駆除する際の手順や方法に大きな違いがあり、特にイタチを駆除する際は注意が必要です。

本章にて、イタチとネズミそれぞれの駆除方法についてご紹介します。

イタチの駆除方法

これは、イタチだけでなく、害獣に分類される他の動物(アライグマ・ハクビシン・タヌキ・コウモリ・アナグマなど)のほとんどが当てはまります。

自身で許可を得るには、市役所や町村役場に行き申請をする必要があります。

仮に、許可を得ることができた場合、天井裏・床下などの住処や侵入経路にエサの入った罠を設置し捕獲しましょう。
(自治体によっては捕獲機を貸し出してくれているところもあるため、活用してみるのもよい)

イタチは光を苦手とするため、光が点滅するLEDなどを当てる方法もあります。

捕獲後は、再侵入を防ぐために、巣やフンなどを撤去し、清掃・消毒をしっかりおこなったうえで侵入口を塞ぎます。

イタチはフン尿の臭いを嗅ぎつけ、自分の縄張りだと思い再侵入する危険があるため、清掃・消毒は徹底的におこなうべきです。

なお、捕獲後の処分方法も自治体によって異なるため、事前に行政の相談窓口に連絡して確認しておきましょう。

ネズミの駆除方法

家に出没するイエネズミは、いずれも法律によって保護されておらず、無許可で駆除できます。

殺鼠剤・粘着シート・忌避剤などネズミ駆除のアイテムも市販品が数多く販売されているため、それらを使って対処するとよいでしょう。

ネズミの侵入経路となり得る場所を特定し、そこに罠を設置して駆除しましょう。

また、捕獲・駆除したあとのネズミは燃えるゴミで処分できます。

ネズミが潜んでいた場所にも巣やフンなどがあるため、駆除後は清掃・消毒を徹底しておこなうことが重要です。

また、断熱材や柱・ケーブルなど、ネズミにかじられた跡がないかも確認し、被害状況に応じて修繕もおこないましょう。

イタチ・ネズミともに「くん煙材」で追い出せる

イタチ・ネズミともに、バルサンのようなくん煙材で追い出すことも可能です。

煙でイタチが死ぬことは基本的になく、あくまで「追い出しているだけ」なので法律的にも問題なく利用できます。

くん煙材を使用する際は、対象となる場所を煙で充満させなければいけません。屋根裏などで利用する際は、広さに応じて薬剤を追加するとよいでしょう。

ただし、あくまで煙で追い出しただけのため、くん煙材だけだと再侵入される可能性は高いといえます。

また、イタチ・ネズミともにいずれは煙やニオイに慣れてしまうため、同じ罠は通用しづらく、数日経てば戻ってくる可能性もあるかもしれません。

あくまで一過性の対策に過ぎないので、侵入経路の封鎖など別の方法での対策も並行しておこなう必要はあるでしょう。

イタチ・ネズミに共通する害獣被害とは?

イタチ・ネズミに家屋に浸入されると、さまざまな被害が発生してしまいます。

本章では、イタチ・ネズミに共通する害獣被害についてご紹介します。

食害

イタチ・ネズミともに雑食性であり、人が口にする食材から廃棄予定の生ごみまで、なんでも食べます。

ごみ袋を荒らされたり、イタチは畑や家庭菜園などの農作物にも手を出すため、その数が増えるほどに食べ物への被害は増加していきます。

衛生管理については、害獣・害虫の被害を未然に防ぐうえでも非常に重要です。

  • 適度に掃除する
  • 常温保存できる食材を出しっぱなしにしない
  • ごみはフタつきのもので保管し、溜め込まずに収集日に捨てる
  • 熟した農作物は早めに収穫し、廃棄予定のものは早めに処分する など

被害が発生する前から徹底した衛生管理をおこなうことで、幾分か被害を軽減できるでしょう。

健康被害

イタチ・ネズミともに、屋根裏や床下など人が普段立ち入ることのない場所に棲みつきます。

そして、どちらも夜行性のため、夜中寝静まったころに足音や鳴き声が聞こえてくるのです。

この「得体の知れないなにかがいる…」という不安や騒音問題により、睡眠障害やノイローゼを引き起こすケースがあります。

また、同じ箇所にフン尿をする習性から、糞尿が溜まるほどに悪臭による健康被害も発生するでしょう。

放置するほどに数が増え、騒音や悪臭の被害も増していくため、早急な対処が求められます。

建物への被害

害獣が建物に棲みつけば、建物の寿命を大きく削ることになります。

原因の一つは、ふん尿による建物の腐食です。

たとえば屋根裏でふん尿が溜まり続けると、天井にシミができ、その箇所がどんどん腐食していきます。

これをこのまま放置し続けると、いずれは建物倒壊の危険性すらあるため非常に危険です。

また、ネズミはなんでもかじる習性があり、イタチも棲み処を作るために断熱材をかじることから、建物を著しく損傷させてしまいます。

建物の倒壊や火事に発展する危険性が高いため、害獣の存在に気づき次第、早急に対処を講じなくてはいけません。

怪我などによる感染症の発症

野生動物は総じて不衛生であり、その体やフン尿には多数の病原菌や寄生虫が付着しています。

そのため、絶対に素手で触れてはいけません。

また、害獣を発見しても不用意に近づくのも危険です。特にイタチは非常に獰猛なため、下手に近づいて攻撃されたら、その傷口から病原菌が体内に入り込み感染症などを発症する恐れがあります。

不用意に近づかないこと。自身で捕獲・駆除・処分する際や害獣のいた箇所を清掃・消毒する場合は、かならず防護手段を整えてからおこなうようにしましょう。

イタチ・ネズミともに駆除に困ったら業者に相談しよう

イタチの駆除は、自治体に許可をとらなくては対応できないため非常に手間がかかります。

また、許可を得れたとしても捕獲難度は高く、多大な手間とリスクが発生するでしょう。

ネズミは自身で対処することはできるものの、効率よく駆除するにはそれなりのネズミに関する知識を必要とします。

プロに依頼すれば、イタチを駆除する際の許可申請も業者側がおこなってくれますし、駆除・清掃・消毒・侵入経路の封鎖・再発時の対応など、すべてを安心して任せることができます。

ただし、業者によって費用やサービス内容は異なるため、複数社に見積もりを依頼したうえで、より自身が安心・納得できる業者を選ぶことが重要です。

自治体によっては、害獣駆除に関するアドバイスや業者の斡旋などをおこなっているところもありますので、事前に確認したうえでうまく活用してみるのもよいでしょう。

まとめ

イタチ・ネズミともに害獣に分類されており、人々の生活に甚大な被害をもたらす恐れがあります。

もし、その存在や痕跡などを確認した場合は、被害が拡大する前に対策を講じましょう。

また、自身で対応するにはかなりの手間とリスクを伴うため、できれば早めにプロの業者へ相談することをおすすめします。

確かな知識と技術をもった専門業者に対処を依頼したほうが、安全かつ確実に害獣被害に悩まされない家にしてくれるでしょう。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP
CLOSE