害獣として指定されているコウモリは、ベランダにも住み着く場合がある事は御存じですか?
コウモリがベランダに住み着いてしまうと騒音や汚損被害に悩まされるかと思いますが、何と言っても厄介なのがコウモリが排泄する糞尿です。
今回はそんなコウモリの糞に注目し、何故コウモリの糞が危険と言われているのか、どうしたら安全に対処できるかを解説していきます。
目次
家に住み着くコウモリは一種類だけ?アブラコウモリの生態とは?
皆さんは現在日本にどのくらいのコウモリが存在すると思いますか?
日本には現在、 種類のコウモリが生息していると言われていますがその中で私達の生活圏である家屋を住みかとするのはたった一匹と言われています。
その一匹こそが「アブラコウモリ」です。
下記にてアブラコウモリの生態を解説していきます。
アブラコウモリ…体長4cm~6cm程度であり羽を広げた場合は25cm程の大きさになると言われています。
夜行性であるアブラコウモリは家屋の屋根裏や天井裏にも住み着いてしまう他、ベランダなどにも居付いてしまうケースが報告されています。
アブラコウモリがベランダに住み着いてしまう場合、このような理由があります。
物干しざおなどがあるとコウモリがぶら下がりやすい
コウモリは普段、木や植物にぶら下がって生活をしている為、物干しざおが置かれているベランダはコウモリにとって居心地のいい場所となってしまいます。
しかしコウモリがベランダに住み着いてぶら下がってしまうと安心して洗濯物を干せないですよね。
冬は室外機の熱などで暖かい
寒い時期になると、室外機などの熱にコウモリが寄ってきやすくなります。
またエアコンの配管口から室内に侵入してくる可能性もある為コウモリが暖を取っている姿が可愛いからといって放置は厳禁です。
雨風を凌げる為、身を守りやすい
コウモリは濡れるとうまく飛ぶことが出来ません。なので屋根があり雨風が凌げるベランダはコウモリにとって最高の雨宿り場所となってしまうのです。他にも雨宿りをきっかけに上記の理由で住み着いてしまうという事がありえますので十分注意しましょう。
危険!糞に潜む恐ろしい病原菌や糞の危険性について
コウモリはコウモリ自体や糞に様々な恐ろしい菌を保有している事でも有名です。
糞自体はネズミの糞とよく似ていますが様々な特徴があります。
コウモリの糞の特徴は以下の通りになります。
コウモリの糞の特徴
・黒っぽい
・乾燥しており、崩れやすい
・外壁にくっついている事がある
ネズミの糞にも危険は伴いますがコウモリの糞はそれ以上に危険な場合があります。
この危険性についてはこの後説明しますが、まずはコウモリの糞にはどのような病原菌が潜んでいるのか解説していきます。
コウモリの糞に潜んでいると言われているのは様々ありますが、今回は以下の3つを紹介していきましょう。
SARS(重症急性呼吸器症候群)
SARSはコウモリの唾液や糞などに含まれているウイルスの一つです。
インフルエンザと似た症状があり、殆どの場合は薬などで完治しますが万が一重症化した場合、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)になる可能性があります。
ARDSは早急の治療が無ければ死に至る可能性が高いとされている病気なので、万一に感染しない為にもコウモリの糞に触れる事はNGです。
ヒトプラズマ菌
ヒトプラズマ菌もコウモリの糞に含まれるウイルスの一種です。
上記の項目でも解説している通りコウモリの糞は乾燥しています。その為粒子が舞い上がったものを吸い込んで感染してしまう恐れがあるのです。ヒトプラズマ菌は発熱や胸痛、重度の倦怠感などを引き起こしますが大体の場合は軽度か、無症状で感染に気付かない場合も多いです。
ですが長期的な吸引によって症状が発生し、後遺症が残る場合もあるのでコウモリの糞の処理の際は注意が必要です。コウモリの糞の処理についてはの後の項目で解説します。
狂犬病ウイルス
狂犬病はコウモリに咬まれたり引っ掻かれたりなどした場合に感染する可能性があるウイルスですが高密度の糞の粒子によって感染する場合があります。
現在、日本での感染は確認されていませんがほぼ死に至るという恐ろしい病気の為、処理の際は必ずマスクをつけて行う事を徹底してくださいね。
また万が一吸ってしまったかもしれないという場合は病院などで相談する事をお勧めします。
いずれも日本国内でコウモリから直接感染したという報告は上がっておりませんが、コウモリが病原菌を保有している以上絶対感染しないとは言い切れないので糞を清掃する際には注意が必要です。
他にもコウモリの糞には様々な寄生虫が住み着いている事が多いです。
ノミやマダニ、トコジラミといった大変危険な上に駆除が厄介な虫が住み着いている可能性がありますので、コウモリの対策や糞の清掃の際は十分な注意が必要です。
特にベランダとなると小さなお子さんが居るご家庭ではお子様が誤って触ってしまう事も十分に考えられますので早急の対策が必要になります。
次の項目で、そんなコウモリの糞の清掃について解説していきます。
コウモリの糞はどうやって対処するの?安全な糞の処理について
先ほども解説した通り、コウモリの糞の清掃というのは危険性が伴います。
乾燥している為空気中に舞った糞の粒子を吸い込んでしまう事も十分に考えられますので事前準備はしっかり行っておきましょう。
準備するもの
身に着けるもの
不織布マスク
防塵ゴーグル
ゴム手袋
長袖の服
髪ゴムなど
清掃に必要な道具
殺菌スプレー
ホウキ
ゴミ袋
雑巾
塵取り
どれも使い捨てになるので足りない道具があれば100均で揃えましょう。
さあ、準備が整ったらいよいよ糞の清掃の開始です。
まずは上記で紹介したマスクなどを着用し、糞の粒子などから自身を守れる恰好に着替えましょう。
糞をホウキと塵取りを使って集め、ゴミ袋に入れる
次にコウモリの糞を一か所に集め、塵取りを使って可燃ごみ袋に入れます。
この時決してコウモリの糞が肌に触れないように注意します。
コウモリの糞を全てを集めて可燃ごみ袋に入れたら、袋をきつく縛り二重にしてゴミの日に出します。
フンの処理時、糞が集めにくい場合は無理をせずコウモリの専門業者への依頼を検討してくださいね。
殺菌スプレーで糞が付着していた場所を綺麗に清掃する
コウモリの糞を全て集め終わったら、コウモリの糞が付着していた箇所を強力な漂白剤や除菌スプレーなどで除菌します。また、糞の匂いでコウモリが再侵入をしないようしっかりと匂いを消すのも忘れないでくださいね。
もし万が一コウモリの糞が手などに触れた場合は慌てずに石鹸などでよく洗い流し、消毒を行ってください。
ベランダに寄って来るコウモリは対策できる!対策方法の紹介
さて、ここまで糞の処理について解説してきました。続いてはベランダに寄ってくるコウモリの対策を解説していきます。
コウモリを対策する際、方法は様々ありますが今回はベランダにしぼって説明していきます。
可能であれば防虫ネットを取り付ける
ホームセンターや通販などでも購入できる目の細かい防虫ネットでベランダを囲むとコウモリのべらんだへの侵入を防ぐ事が出来ます。ただし集合住宅によっては防虫ネットの使用が禁止されている場所もありますので、防虫ネットの導入を検討するのであれば集合住宅の管理人さんにまずは相談してみましょう。
忌避剤を撒く
コウモリを寄せ付けないようにするのであれば忌避剤もお勧めです。
様々なタイプの忌避剤がありますので、家屋の状況に合わせてスプレータイプ、ジェルタイプなどを決めることをお勧めします。ここからは状況に合わせた忌避剤のタイプのおすすめを簡単に紹介していきます。
スプレータイプ
一番簡単に使えるコウモリの忌避剤です。
ベランダに居付いてしまったコウモリがずっと一定の場所から動かない場合ワンプッシュしてみるのもいいかもしれません。
固形タイプの忌避剤
蓋を開けて設置するだけのタイプもある固形型もベランダに居付くコウモリ対策にお勧めです。
物によって範囲が異なってくるのでご自身に合った範囲のものの購入をお勧めします。
施工式のジェルタイプ
専用トレーや専用のフックが付いてくるジェルタイプの忌避剤も対策として有効です。
トレーにジェルを流しいれて設置するだけなので大変簡単に対策が出来ます。
ものによっては塗るタイプなどもありますので、ご自身の状況に合わせたものをお選びください。
業者に依頼する
なかなかコウモリが撤退しない、糞が減らないと言った場合は専門業者への依頼がお勧めです。ここからは失敗しない業者の選び方について解説していきます。
・自社のホームページに成功実績のページがあり、事例が豊富
成功事例が豊富な会社は、それだけ業者の知識や経験も豊富なのでしっかりとした作業内容を組み立てて再発防止に繋げる事が出来ます。気になる会社があればまずはホームページを確認してみましょう。
・現地調査が依頼可能で、当日に細かい作業内容などを聞くことができる
見積もりを出すうえで現地調査は必須になります。
細かい作業内容も現場を見なければ組み立てられないので現地調査を行わないなどの会社は避けたほうがいいでしょう。
見積もり無料で現地調査が可能な会社もあるので是非探してみてくださいね。
・いくつかの見積もりを用意し、最終的な内容と金額で判断する
見積もりを貰う際は一社だけでなく複数の会社から見積もりを貰う事をおすすめします。
同じ作業内容でも料金が異なったり、アフターケアや保証期間も細かく変わってきますのでご自身に合った会社を選び、お得にコウモリ対策をしていきたいですね。
まとめ
ベランダのコウモリの糞対策、いかがだったでしょうか?
コウモリには未だ未知のウイルスが潜んでいるとも言われており、今後日本でも判明する可能性は大いにあり得ます。十分な対策と適切な処理を行い、コウモリの被害から身を守っていきましょう。
害獣駆除ガイドでは様々な害獣に関する対策について解説しております。
是非他の記事にも目を通して、害獣対策を行っていきましょう!
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