母屋内に潜んでいるネズミを駆除するとなったとき、業者に依頼するにしても自身で薬剤を購入して駆除するにしても、大なり小なりの費用が発生します。
できるだけ費用を抑え・安心して駆除を依頼するためにも「補助金や助成金を活用したい」「市役所や区役所、保健所などで駆除してほしい」と考える方も多いのではないでしょうか。
本記事では「自治体はネズミ駆除の対応をしてくれるのか?」「補助金や助成金などのサポートはしているのか?」といった疑問を解決しつつ、ネズミ駆除の費用をできるだけ抑える方法についてご紹介します。
ネズミ駆除を業者に依頼しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ネズミ駆除に補助金や助成金は出るの?
結論からいうと「自治体(市役所や保健所など)からネズミ駆除に関連する補助金・助成金が出ることはほとんどない」といえます。
一部の自治体では、たとえば商店街単位など団体向けの助成金を出しているケースはあります。
しかし「個人向けの助成金を用意している自治体はほぼない」といっていいでしょう。
また、仮に助成金・補助金を提供する自治体があったとしても、適用される要件は自治体によって異なります。
そのため「自分が住んでいる地域は、ネズミ駆除に補助金や助成金は出るのか?」と悩んでいる方は、まずはお住いの自治体のホームページを確認してみるといいでしょう。
ネズミ駆除を自治体に依頼することはできる?
こちらも結論からお伝えすると「ネズミ駆除の作業は、自治体(市役所や保健所など)では対応していない」となります。
その理由は、市役所・保健所などは「行政を司る公的機関」だからです。
ネズミ駆除に関する一定の品質およびサービスを保証することはできず、予算を組むことや行政サービスとしてネズミ駆除を提供することもできません。
ただし、各自治体ではネズミ駆除に関する相談などに乗ってくれることはあります。
(詳細は、お住いの自治体のホームページをご確認ください)
これも自治体によって詳細は異なりますが、以下でいくつか例を出してご紹介しましょう。
「ネズミ被害に悩んでいる…。でも自身での対策や駆除業者に依頼するのは不安…。」という方は、まずはお住いの自治体に相談してみるのもいいかもしれません。
ネズミ駆除の相談やアドバイスをしてくれる
お住いの自治体によっては、ネズミ被害に関する相談に乗ってくれたり・対策法をアドバイスをしてくれる可能性があります。
ネズミが侵入経路や防ぎ方、万が一被害が発生してしまった際の具体的・効果的な駆除方法など「自身でできる対策」を指導してもらえるでしょう。
相談のみならば無料で受け付けている自治体も多いため、具体的な対策や駆除に動く前に、自治体に相談してみるのもいいかと思います。
道具の貸し出しや無料配布をしてくれる
自治体によっては、捕獲機などネズミ駆除に必要な道具の貸し出しや無料配布をしてくれるところもあります。
ただし、これも自治体によって支援内容が異なる(自治体によっては支援を実施していないケースもある)ため、詳細はお住いの自治体のホームページを確認することからはじめてみましょう。
害獣駆除業者の派遣をしてくれるケースもある
各自治体は、あくまで「相談窓口」が設置されているだけで、サポート対応が主となります。
なかには害獣駆除業者を紹介してくれる自治体もあり、自治体が定めた条件をクリア+申込書を市役所に提出することで、業者を斡旋してくれるケースもあります。
そのおおまかな流れは、以下の通りです。
- 自分で市町村に駆除の依頼申請書を出す
- 市町村から委託業者に設置を依頼
- 委託業者から依頼者に連絡
ただし「自治体から紹介された駆除業者だから間違いはない」と決めつけてしまうのは早計であり、若干の注意が必要といえます。
その理由は「自治体は、その地域で営業している業者を調べて紹介をおこなうのみで、実際のサービス品質・実績までは把握していない恐れがある」ためです。
自治体からの紹介であっても補助金や助成金が出るケースはほぼなく、最終的には自身で駆除業者に依頼しお金を支払う必要があります。
そのため業者に依頼する場合は、自身で比較をおこなったうえで納得できるところを選ぶべきといえるでしょう。
ネズミ駆除を自治体に相談する前に把握すべきこと
お住いの自治体にネズミ駆除を相談する前に、押さえておきたい注意点があります。
本章では、特に注意すべき3つのポイントをご紹介します。
詳細は自治体によって異なるため、まずはお住いの自治体のホームページを確認するといいでしょう。
回収まではしてくれない可能性がある
自治体は「ネズミ駆除にお悩みの方の相談に乗り、サポートをおこなう」ことが主となります。
そのため、仮に捕獲機の貸し出しや無料配布などをおこなっている自治体であっても、捕獲機の設置やネズミ捕獲後の処理は自身でおこなわなければいけません。
もちろん、捕獲機などを借りている場合は、管理や返却も自身でおこなう必要があります。
上記の理由から、母屋内でネズミが発生した箇所の清掃(糞や食べこぼしなど)や消毒も対応してくれません。
ネズミが住処にしていた場所の清掃・消毒は、自治体ではなく専門業者に依頼する必要があります。
清掃・消毒をしないと、家の腐敗や害獣の再侵入の原因となる可能性があるため、早めに業者に依頼することをおすすめします。
業者への依頼は自身でおこなう必要がある
自治体のなかには駆除業者を紹介してくれるケースもありますが、あくまで「橋渡し」だけで、業者への依頼は自身でおこなう必要があります。
個人で業者に依頼する場合、補助金や助成金が利用できないケースがほとんどのため、駆除費用そのものは自身が支払わなくてはいけません。
また「自治体は、その地域で営業している業者を調べて紹介をおこなうのみで、実際のサービス品質・実績までは把握していない恐れがある」ため、その業者が自身が納得できる内容・費用で駆除を実施してくれるかどうかは、自身で調べる必要もあるでしょう。
「自治体から紹介される業者だから間違いない」と考えるのは早計といえるため、注意しておきましょう。
即日対応はほぼ不可能
業者であれば即日対応が可能なケースもありますが、「自治体=行政」のため即日対応は基本的に不可能と理解しておきましょう。
とくに、土日祝や年末年始などの長期休暇は対応していないケースがほとんどです。
また、申請書を提出してから許可が下りるまでに時間がかかるケースもあり、(仮に駆除が依頼できたとしても)実際に駆除作業を開始するまでに数日待たされる可能性が高くなります。
そのため「早急にネズミを駆除してほしい」という状況ではあまりおすすめできません。
即日などスピード対応を希望している場合は、駆除業者に依頼するのがいいでしょう。
ネズミ駆除を業者に依頼する際の注意点
ネズミを完全に駆除するには、専門の駆除業者に依頼するのがもっとも効果的といえます。
しかし業者の種類は非常に多く、なかには悪質な業者も存在するため、依頼する際は事前の確認が必須といえるでしょう。
本章では、ネズミ駆除を業者に依頼する際の注意点についてご紹介します。
「相見積もり」を取ろう
「相見積もり」とは、複数の業者に見積もりを依頼することです。
相見積もりをとることで、業者ごとのサービス内容・費用の違いを把握できるだけでなく、業者の良し悪しを見分ける検討材料にもなるでしょう。
見積もりを取る際は、基本的に業者による「現地調査」が実施されます。
業者によっては「現地調査を渋る」「電話や対面時の対応の質が悪い」といったケースもあります。
なかには、見積もりや現地調査に費用が発生する可能性もあります(業者によりけりではあるが、無料で対応してくれる業者も多い)。
こういった点で業者の良し悪しを判断し、より自分が納得のできる業者を選定するようにしましょう。
見積書の確認を徹底し不明点を質問しよう
見積もりをとった際は、費用の項目をしっかりと確認し、不明点があれば業者に確認をとるようにしましょう。
業者によっては、顧客に知らせていない費用(不要な費用)を計上しているケースや、項目が不明瞭なケースもあります。
なにも考えずにそのまま依頼してしまうと、本来かかる費用よりも高額な費用やあとから追加費用を請求される可能性もあるかもしれません。
もしも見積書に不明瞭な項目があった場合は、内容を理解できるまで確認をとりましょう。
仮に「見積もりの詳細を確認しても明確な答えが返ってこない」という場合は、その業者には依頼しない方が賢明といえます。
記載された内容に納得した(自身が安心して依頼できると判断できた)場合にのみ依頼することが重要です。
アフターフォローの内容もチェックしておこう
ネズミの侵入経路は多岐にわたるため、仮に業者に依頼しても100%再発を防止できるとは限りません。
万が一再発した場合に備えて、アフターフォローもチェックしておくことをおすすめします。
業者に依頼する際は、安さだけをアピールする業者には注意しておきましょう。
その理由は、安さだけをウリにして「徹底した駆除をしてくれない」「アフターフォローがない」といったケースもあるからです。
費用はもちろん、サービス内容や保証期間は業者によって異なります。
アフターフォローがないと、再びネズミが出た際にまた費用をかけて対応しなければなりません。
余計な出費を増やさないためにも、アフターフォローの有無と内容の確認は必須といえるでしょう。
業者に依頼した方がいい理由とは?
ネズミ駆除業者に依頼した方がいい理由は「屋内に潜むネズミを徹底的に駆除してくれるから」です。
確かに、ネズミ駆除を自身でおこなうことも可能ではあります。
しかし「罠の設置から死骸の処理まですべて業者がおこなってくれる」「見えない箇所に潜んでいるネズミも徹底的に駆除してくれる」ことに加え、「侵入経路の特定・封鎖」まで徹底的におこなうため、再発率が少なくなります。
ネズミの侵入経路は多岐にわたる+ネズミは学習能力や繁殖率が高いため、素人が生半可な知識で対策をしても、すぐに問題が再発してしまいます。
またアフターフォローがしっかりしている業者であれば、万が一再発した場合でも無料or格安で再発防止に動いてくれます。
一見すると業者に依頼する方が費用がかかると感じるかもしれませんが、結果的に「自身で駆除するよりもコスパがいい」といえるでしょう。
ネズミ駆除の費用を安くするコツ
自治体からの補助金や助成金が得られなくても、駆除費用はできる限り抑えたいと考えるでしょう。
本章では、ネズミ駆除の費用を安くするコツをいくつかご紹介します。
複数の駆除業者を比較・検討する
上述でもお伝えした通り、相見積もりをとる=複数の駆除業者を比較・検討することが重要です。
比較時のポイントとしては、以下が挙げられます。
- 駆除期間
- 作業内容
- 保証期間
- 口コミや評価
- 実績
- 費用
- アフターフォロー
業者の良し悪しを判断するために、できれば3~4社ほどは見積もりをとった方がいいでしょう。
見積もりを依頼したからといって「絶対に契約しなければいけない」ということはありません。
複数の業者を比較し、自身が納得できる業者を選定して依頼しましょう。
自分が対応できる範囲で対策をおこなう
ネズミの出没場所が把握できていれば、駆除業者が仕掛ける罠の数を少なくでき、結果として費用を抑えることができるかもしれません。
可能であれば、ネズミがどのあたりに出没するかを把握するために、できる範囲でネズミ対策の罠を仕掛けておきましょう。
殺鼠剤・粘着シート・くん煙剤・忌避剤・捕獲機・超音波器・侵入防止剤など、一般の方でも購入できるネズミ対策の罠は数多く存在します。
これらはホームセンターやネット通販などで簡単に購入できるため、まずは自身で対策を実施してみるのもいいでしょう。
普段からネズミ対策を意識しておく
そもそもの対策として「普段からネズミが棲みつきづらい環境を作る」ことが大切です。
- 適度に掃除をする(建物を清潔に保つ)
- 食材を密閉し、ネズミのエサとなるものを表に出さない
- ネズミの侵入経路を作らない など
適度な掃除や食材の密閉は、普段から意識していれば徹底できるはずです。
ただし、ネズミの侵入経路は多岐にわたるため、一般の方がすべてに対策を施すことは難しいといえます。
できる限りのことは自身でおこない、それでも「不安が残る」「ネズミが棲みついている気がする……」という方は、ネズミ駆除業者に依頼を検討してみるといいでしょう。
まとめ
ネズミ駆除について、自治体に相談することが可能なケースもあります。
しかし、自治体(=行政)が対応できるのは「相談・アドバイス」「捕獲機などの貸し出しや無料配布」「駆除業者の紹介」などが主となるため、対策や業者への依頼は最終的に自身でおこなう必要があります。
害獣駆除はできるだけ早急に対処する必要があるため、急を要する場合は自治体よりも業者に依頼するのがいいといえるでしょう。
詳細は自治体によって異なるため、気になる方はまず自治体のホームページを確認してみましょう。
また駆除業者に依頼する場合も、サービス内容やかかる費用は業者によって異なるため、相見積もりをとって複数の業者を比較することをおすすめします。
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