【野生のアライグマ】自身でできる駆除・対処法や業者選びのポイントを解説

アライグマ

野生のアライグマによる被害は年々増加しており、人々に深刻な影響を与えています。

農地に出没するor建物に棲みつかれると、人々の健康だけでなく農作物やお住いの建物にも大きな被害をおよぼす可能性があるでしょう。

本記事では、アライグマの駆除方法や害獣駆除業者の選び方についてご紹介します。

この記事の情報を参考に、自身に合った方法でアライグマの被害を防ぎましょう。

アライグマを駆除するには自治体の許可が必要

アライグマを自力で捕獲・駆除するには、一定の条件+自治体への申請をしなければいけません。

本章では、許可が必要な理由や許可の取り方などをご紹介します。

許可なく駆除できない理由

また、もともと外来種だったアライグマは「外来生物法」によって管理されており、仮に捕獲許可が下りたとしても、狩猟免許を持っていない者が殺傷および生きたまま運搬することもできません。

つまり、仮に捕獲できたあとも勝手に運搬することはできず、自治体の職員や業者に連絡して対処をお願いするしかないということです。

野生動物はさまざまな菌や寄生虫が身体に付着しており、とくにアライグマは狂暴な性格をしていることから、捕獲器に入っている状態でも隙間から攻撃してくることがあります。

むやみな被害を出さないためにも、免許(知識や技術)を持っていない人が不用意に接触するのは避けたほうがよいでしょう。

自治体に許可を得る方法

自分で捕獲・駆除をするには免許を取得したうえで、お住いの地域の役所や保健所に連絡をし許可を得なければいけません。

その際に必要となるものは、「有害鳥獣被害状況調査書」「鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採卵等の許可申請書」「捕獲区域・場所を明らかにした地図や図面」などが挙げられます。

詳細は自治体によって異なるケースがあるため、事前に問い合わせて確認をとっておくとよいでしょう。

なかには「特定外来生物の捕獲従事者講習会」を実施しているところがあり、講習を受けることで捕獲従事者として捕獲できるケースもあります。

ただし、自治体によっては実施していないところもあるため、事前にお住いの自治体に確認をとりましょう。

狩猟免許の取得方法

狩猟免許には、あつかう猟具によって以下の4つに大別されます。

  • わな猟免許
  • 網猟免許
  • 銃猟免許(第一種・第二種)

捕獲をおこなう場合は「わな猟免許」を取得しなければいけません。

各種免許には試験があり、種類ごとに各自治体で毎年複数回開催されています。

試験内容は、知識・適性・技能試験の3種類です。

余談ですが、第一種(散弾銃やライフル銃)・第二種(空気銃)銃猟免許は銃を利用するため、銃刀法に基づく所持許可を別途得なければいけません。

捕獲だけなら「わな猟免許」だけで問題ありませんが、駆除まで自身でおこなう場合はこの点にも注意しておきましょう。

野生のアライグマを自力で捕獲する方法

免許を取得し、自治体の許可も得ることができれば、自力でアライグマを捕獲・駆除できます。

駆除(射殺駆除)までするのはハードルが高いため、本章では捕獲方法について解説していきましょう。

捕獲手段

罠として利用されるのはケージ型の箱罠であり、おおよそ5,000円~30,000円程度で購入できます(自治体によっては無料で借りることもできる)。

箱罠には以下の2種類があり、状況に応じて適切なものを使用するとよいでしょう。

  • 踏板式箱罠 :踏み板を踏むと入り口が閉まるタイプ
  • 釣り餌式箱罠:上面にぶら下げたエサが食べられると入り口が閉まるタイプ

上述でもお伝えした通り、捕獲する(罠を設置する)には「わな猟免許」を必要とする点に注意しておきましょう。

捕獲したアライグマを処分する方法

「わな猟免許」だけでは捕獲はできても駆除はできません。

また、外来生物法によって、生きたまま運搬することもできません。

ただし、法律によって捕獲者が責任を持って処分することが義務付けられていることから、捕獲したあとは自治体や専門業者に処分を依頼しましょう。

手順を理解していないと、捕獲→処分の間に時間がかかる恐れもあります。

慌てることがないように、許可を申請する際に処分方法についても合わせて確認をとっておきましょう。

侵入経路の封鎖と清掃

アライグマの駆除に成功しても、侵入口がそのままだと再び被害が発生するかもしれません。

そのため、経路となる隙間を徹底的に封鎖しましょう。

封鎖および侵入しにくい環境を作るポイントは、おもに以下が挙げられます。

  • 金網を設置する(10cmほどの隙間でも入り込めるため、5~8cm以下の網目の細かいものを利用する
  • 建物に連なる木(木の枝)を剪定する
  • 雑草を処分し、隠れやすい場所を極力なくす
  • 餌となるものを極力表に出さず、清潔な環境を維持する など

上記の対策は、無免許や無許可であってもおこなえます。

被害を危惧される方は、普段からアライグマの侵入防止対策を実施しておくことをおすすめします。

また、アライグマがいた場所や糞尿には菌や寄生虫が蔓延しているため、清掃・消毒も徹底しておこないましょう。

防護を徹底し、かつ作業時着用していた衣類は使用後に処分。さらに、作業後は使用した道具を念入りに消毒し、体や髪の毛も隅々まで丁寧に洗うことが重要です。

アライグマ駆除に利用できる補助金はある?

自力であろうと業者に依頼しようと、アライグマの駆除には手間と費用がかかります。

「アライグマを駆除する際に、補助金が利用できれば…」と考える方もいるかもしれませんが、

これは自治体によって詳細が異なります。

たとえば、農作物への被害を受けている農家であれば、農作物の被害の抑制を図るため補助金を設定されているケースもあります。

ただし、対象となるのは農家や資格を有している方が基本であり、一般の方が利用できるケースはほとんどないでしょう。

自治体によっては「罠の貸し出しを無料でおこなってくれる」「害獣駆除の専門業者を斡旋してくれる」「対処法を教えてくれる」といったサポートを受けられる可能性はあります。

詳細は自治体によって異なるため、まずはお住いの自治体の公式ホームページを確認したり、自治体に直接相談してみるとよいでしょう。

業者に依頼した場合にかかる駆除費用

おおよその目安としては、以下が挙げられます。

  • 1~5万円:捕獲、部分塞ぎ など
  • 5~15万円:追い出し作業、侵入経路塞ぎ、消毒 など
  • 15~30万円以上:複数の駆除、大規模な防除作業や修繕 など

依頼する業者・被害の大きさ・施工範囲の広さなどによって大きく変わることから、詳細は業者に相談しないことにはわかりません。

現地調査や見積もりは無料で対応してくれる業者も多いため、まずは複数の業者に相談してみるとよいでしょう。

アライグマの被害を自力で対処するには、相当な手間とリスクが伴います。

また、免許を取得している間に被害が拡大する恐れもありますし、自力で対処しても大なり小なりの費用がかかるため、被害に遭ってから自力で対処するのは非常に困難です。

業者に依頼した方が費用は高額になりますが、手間・リスク・再発時の対応など含めると、総合的なコストパフォーマンスは自力で対処するより優れているといえるでしょう。

業者選びのポイント

本章では、業者を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。

業者によって特徴が異なること、またなかには悪徳業者の類も存在するため、本章を参考に自身が納得・安心できる業者を探してみましょう。

絶対に「相見積もり」をとること

駆除にかかる費用やサービス内容は業者によって異なるため、複数の業者から見積もりを依頼しなければ比較ができず良し悪しが判断できません。

数が多すぎても選別しづらくなるため、口コミやレビューなども参考にしながら3~4社ほどに絞り込み、その後現地調査や見積もりを依頼するとよいでしょう。

より良い業者を探すためにも、悪徳業者の類を回避するためにも、絶対に相見積もりをとることをおすすめします。

現地調査・見積もりが無料の業者を選ぶ

多くの業者が現地調査・見積もりまで無料としていることが多いものの、なかにはこの時点で費用が発生するケースもあります。

複数の業者を比較するためにも、基本的には現地調査や見積もりを無料でおこなってくれる業者を選ぶようにしましょう。

なお、見積もりをとる際は、あらかじめ予算の目安を伝えておくとよいでしょう。

予算を伝えておけば、業者はその予算の範囲内で最善の方法を提案してくれます。

ただし、被害内容によって予算内で収まりきらず、無理に予算内に収めようとすると満足できる駆除が実施できない可能性もあります。

費用とサービス内容をしっかりと把握+不明点を相談しすべて解消したうえで、自身が納得できるプランを組み立ててみましょう。

保証が充実している業者を選ぶ

徹底した防除をしても、野生動物の被害はいずれ再発する恐れがあります。

保証のある業者であれば、期間内に被害が再発した場合も無料or格安で対応してもらえるため、できる限り保証の充実した業者に依頼することをおすすめします。

保証が付いていない場合、被害再発時も新たに依頼をすることになり、最初に依頼したときと同じくらいの費用がかかってしまうでしょう。

業者によって保証内容・期間は異なるため、この点も事前に確認したうえで慎重に選びましょう。

実績が豊富な業者を選ぶ

実績な豊富な業者ほど優れたスタッフが多いため、状況に応じて臨機応変に対応してもらえるでしょう。

野生動物の被害は状況によって大きく異なるため、実績が少ないと十分な対応ができずに被害が再発したり、満足な結果を得られない可能性もあります。

高額な駆除費用を支払ってプロに依頼するため、依頼先はしっかりと吟味しましょう。

できるだけ早く駆除を依頼する

アライグマの駆除費用は数十万単位に上るため、見積もりまでお願いしたものの依頼を先延ばしにしてしまう方も多いでしょう。

しかし、検討中もアライグマの被害は進行していくため、後になるほど被害が拡大する恐れもあります。

当然、被害が広がるほど防除や建物の修繕費用は高額になっていくため、できるだけ被害が軽微なうちに対処を依頼すべきといえるでしょう。

「被害が起こってから相談する」のではなく「侵入の形跡や不安を感じたら早急に相談する」ことをおすすめします。

業者依頼時のおもな失敗例

自身に合った適切な業者に駆除を依頼しないと、後になって後悔する可能性もあります。

本章では、業者依頼時のおもな失敗例をいくつかご紹介します。

失敗例①:業者に依頼したものの被害が止まらない

前者は、実績が豊富な業者に相談すれば、ある程度の問題は解消されるでしょう。

後者は「すべて自社施工で対応している」という業者に依頼すれば解決します。

業者によっては、窓口となった業者と実際に駆除をおこなう業者が異なるケースがあります。

この場合「情報がうまく伝達されずに、下請け業者が誤った侵入経路箇所を封鎖してしまい、問題が解決されない」といった状況に陥りかねません。

失敗を避けるためにも、業者選びは徹底しておこないましょう。

失敗例②:高圧的な営業で断り切れずに契約してしまった

これは、悪徳業者の類に相談した場合に多いケースです。

相見積もりをとる=他社と比較されると勝負にならないため、強引に契約を押し進める業者も存在します。

なかには、口頭で他の会社との比較(他の会社の欠点など)を説明したり、「今すぐ契約しなければ割引キャンペーンの対象外となる」と契約を急かしてくることもあるでしょう。

このような強引な業者には、仮に費用が安いと感じる場合でも依頼すべきではありません。

一見すると費用が安く感じても「いい加減な対処で被害が収まらない」や「後から追加費用を請求してくる」などで、結果的に費用が割高となる可能性もあります。

絶対に、即決しないことが重要です。

強引に迫られても「家族に相談しないと決断できない」なとと伝え、その業者には依頼しないことをおすすめします。

もし、押し切られてしまった場合は、必要に応じてクーリングオフを検討しましょう。

失敗例③:一時期に被害がなくなったものの再発した

野生動物の被害は、アライグマに限らず再発する可能性があります。

とくに、アライグマは縄張りをもって他のアライグマと争うことがあり、駆除することで他の縄張りにいるアライグマが移動してくることもあるのです。

そのため、駆除はもちろん「侵入防止の対策」も徹底しておこなわなくては被害が再発する可能性は高まります。

業者を選ぶ際は、費用の安さだけに目を向けず、サービス内容にも注目して選ぶようにしましょう。

また、保証が充実している業者であれば再発した場合にも安心できるため、保証内容も考慮して選ぶことが重要です。

まとめ

アライグマに限らず「害獣」に認定されている野生動物は、人々の生活に多大な影響をもたらす可能性があります。

自力・他力を含め、対処できる手段は豊富に存在するため、自身に合った方法で被害を防げるよう尽力してみましょう。

ただし、自力でできることには限界がある+手間がかかるため、対処しきれないと感じた場合はお住いの自治体や専門業者にいち早く相談することをおすすめします。

被害が軽微であるほどかかる費用は安くなるため、早期の対策が重要です。

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