富山県にはどんな野生鳥獣が生息している?危険な害獣の特徴や被害内容・効果的な駆除方法を解説!

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日本には数多くの野生鳥獣が生息しており、地域によって生息する鳥獣や被害内容に違いが見られます。

農作物への食害が深刻なことはもちろんのこと、近年では市街地に出没し人身被害をもたらす生き物や家屋に棲みついて害獣被害を発生させる類も存在しています。

自然豊かな地域が広がる富山県にもさまざまな野生鳥獣が生息していますが、どのような野生鳥獣が出没しやすく、どういった被害をもたらしているのでしょうか?

本記事では、富山県において出没しやすい野生鳥獣の種類や被害内容についてご紹介します。

害獣の具体的な防除法についても解説しておりますので、害獣の被害にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

富山県の地域の特徴について

富山県は、日本の中部地方に位置する県であり、県庁所在地は富山市です。

中部地方の日本海側、新潟県を含めた場合の北陸地方のほぼ中央にあたります。

本章では、自然豊かな富山県の土地環境や気候・特産物・生息する野生鳥獣について詳しくご紹介していきます。

富山県の気候や土地環境

三方を急峻な山々に囲まれ、深い湾を抱くように平野が広がっており、富山市を中心に半径50kmというまとまりのよい地形が特徴的です。

富山県は、3,000m級の山々が連なる立山連峰から水深1,000mを超える富山湾に至るまで、高低差4,000mのダイナミックで変化に富んだ地形を有しており、植生自然比率本州一が示すように、美しく豊かな自然環境に恵まれ・四季の移り変わりが鮮明で多種多様な動植物が見られます。

また、天然の巨大なダムともいえる山々からは、1年を通じて豊かできれいな水が流れ、水力発電や各種用水など多目的に利用されており、暮らしや産業を支える重要な資源として機能しています。

なお、富山県は「高岡・射水地域」「新川地域」「砺波地域」「富山地域」の4つに大別され、それぞれで地域の特色に違いが見られます。

【高岡・射水地域】

  • 構成市:高岡市・射水市・氷見市
  • 高速交通網や港湾等広域的な交通基盤の整備が進められ、環日本海・アジアの交流拠点としての役割を果たしている
  • 金属製品等の産業や伝統産業が盛んなほか、歴史・文化や豊かで美しい自然環境に恵まれている

【新川地域】

  • 構成市町:魚津市・黒部市・入善町・朝日町
  • 雄大な北アルプスの豊かな自然環境を背景とし、金属製品や電子材料・部品、一般機械などの産業が集積している
  • 自然や伝統文化等の恵まれた観光資源を活かし、活発な交流がおこなわれる賑わい豊かな地域

【砺波地域】

  • 構成市:砺波市・小矢部市・南砺市
  • 一般機械等や繊維・伝統産業、特色ある農林業が展開されるとともに、歴史・文化、伝統芸能、散居村といった観光資源に恵まれている
  • 高速交通網の活用などにより、さらに交流人口の増加が期待されていることや、豊かな田園空間が広がる魅力あふれる地域といえる

【富山地域】

  • 構成市町村:富山市・滑川市・舟橋村・上市町・立山町
  • 医薬品産業をはじめとした高度なものづくり産業や高等教育・研究機関等が集積し、活発な経済活動がおこなわれている
  • 豊かで美しい自然や特色ある歴史・文化などに恵まれた、個性豊かな中核都市地域といえる

気候については、富山県は日本海側気候に属しており、圏内全域が豪雪地帯(一部地域は特別豪雪地帯)に指定されています。

夏はフェーン現象の影響で気温が上がり高温多湿であることが多く、標高の高い南部の山岳地帯は亜寒帯湿潤気候に属し寒さが厳しいとされています。

気温の平年値は年平均気温が14.5℃であり、1月の月平均気温が3.0℃・8月の月平均気温が26.9℃です。

年降水量は2,374.2ミリ(平年値)で、夏季に比べて冬季に比較的多いとされています。

富山県は、変化に富んだ自然と豊かな水、そして四季の移り変わりが鮮明な魅力溢れる地域として人々の注目を集めています。

富山県の産業・特産物

富山県では、豊かな自然と水を活かして農業が盛んにおこなわれています。

古来より米所として認知されており、(農地こそ減少傾向にあるものの)耕作地における水田率は全国1位とされています。

【富山県の主な農林水産物】

  • 米・種子
  • 大豆
  • 六条大麦
  • たまねぎ
  • ねぎ
  • チューリップ
  • ハトムギ
  • すいか
  • 日本なし

農業生産は稲作を中心に、水田農業の基幹作物として六条大麦、大豆などの生産も盛んにおこなわれています。
(米は、コシヒカリ・てんたかく・てんこもり・富富富などを中心に生産されており、全国一の種もみ出荷県である)

水田転換畑を利用したチューリップ球根の生産も発展しており、国内有数の産地として知られています。

また、兼業率が高く農業従事者の高齢化が進行するなか、認定農業者や集落営農等の担い手確保、法人化や農地集積による経営基盤の強化も進められています。

富山県では、農業の体質強化や高付加価値化を推進するため、たまねぎやねぎなどの園芸作物の生産を進めるほか、新たなブランド米として新品種「富富富(ふふふ)」を平成30年に本格デビューさせています。

また、富山の食の魅力発信による農産物・魚のブランド力の向上や農林水産物の輸出などの国内外の市場開拓、県産素材の活用促進、つくり育てる漁業の推進などに取り組み、魅力ある農林水産業となるよう展開されていることも特徴です。

富山県に生息する野生動物の種類

森林・水が豊かな富山県には、実にさまざまな野生鳥獣が生息しています。

獣類であれば、イノシシ・サル・ツキノワグマ・ハクビシンなどが挙げられ、近年ではニホンジカの目撃情報も増加しています。

また、国の特別天然記念物に指定されているカモシカの目撃情報も少なからずあるようです。

鳥類であれば、スズメ・ムクドリ・ヒヨドリ・カラスなどが挙げられ、なかにはサギやカモが目撃されることもあります。

こうした野生鳥獣は、近年人々の生活圏に侵入して農作物や地域住民に深刻な害獣・害鳥被害を与えており、富山県でも野生鳥獣と人との軋轢が問題になっています。

富山県の野生鳥獣による害獣被害について

自然の中で暮らす野生動物は、時に人々の生活圏に入り込み、さまざまな悪影響をもたらします。

農作物への食害はもちろん、近年は家屋に棲みついて害獣被害をもたらす動物も増加しており、富山県でも被害を軽減できるようさまざまな対策が講じられています。

本章では、富山県の令和4年度の農作物への被害状況や、富山県が実施している農作物の鳥獣被害防止対策事業についてご紹介します。

令和4年度の農作物への被害状況

野生鳥獣による農作物への被害については、富山県のホームページ「野生鳥獣による農作物被害状況」より確認することができます。

令和4年度の被害額のなかで、特に被害が大きい野生鳥獣は以下の通りです。

【獣類】

獣類実被害面積(ha)被害量(t)被害金額(万円)
イノシシ38.7206.94,329
ニホンザル4.315.8346
シカ1.03.2295
ハクビシン0.30.228
タヌキ0.13

参考:富山県 野生鳥獣による農作物被害状況(令和4年度)

獣類のなかではイノシシによる農作物への被害額がもっとも多く、約4,300万円となっています。

数字的には昨年度から1割程度減少しているものの、被害総額の約7割を占めており、今後も徹底した対策が求められるでしょう。

【鳥類】

鳥類実被害面積(ha)被害量(t)被害金額(万円)
カラス5.727.8948
スズメ0.00.24
ムクドリ0.63.1117
ヒヨドリ0.010.196

参考:富山県 野生鳥獣による農作物被害状況(令和4年度)

鳥類のなかではカラスがもっとも被害額が高く、獣類と合わせて見てもカラスの被害は2番目に高いことがわかります。

カラスは農作物だけでなく地域住民にも甚大な被害を発生させるため、その被害を抑えるためにさまざまな対策が講じられていますが、それでも空からやってくるカラスの被害をゼロにすることはできません。

他の野生鳥獣も含め、被害をなくすためには県や自治体による取り組みだけでなく、地域住民が一丸となってできうる対策を講じていくことが重要といえます。

富山県の鳥獣被害対策に関する補助事業について

富山県では、鳥獣による農林水産業等に係る被害を防止するため、富山市鳥獣被害対策実施隊によるイノシシなどの捕獲・集落単位で実施する電気柵やカラス防除用ワイヤーなどの被害防止施設整備の導入に対する支援・銃やわなの狩猟免許を新規に取得する方への支援といったさまざまな対策が実施されています。

  • 鳥獣被害防止総合対策事業:電気柵などの侵入防止柵への支援、ニホンザルの追払い活動への支援
  • 有害鳥獣捕獲隊員育成事業
  • クマ対策

野生鳥獣による被害は、農作物だけでなく地域住民にもさまざまな悪影響をおよぼす恐れがあります。

特に、イノシシやクマの市街地への出没は、地域住民の命の危険もあり得るため、被害を未然に防ぐための徹底した対策が必要といえるでしょう。

農作物への被害で特に注意すべき鳥獣とは?

この章では、富山県において農作物への被害が多い鳥獣の特徴や被害額の詳細について解説します。

被害額などの詳細は、富山県が公表している「野生鳥獣による農作物被害状況(令和4年度)」を参考にしております。

警戒すべき獣類

獣類のなかで特に農作物へ甚大な被害を出しているのは、イノシシ・サル・シカの3種です。

しかし、ハクビシンやタヌキのような中・小型の動物は、家屋に棲みつきさまざまな被害をもたらす厄介な害獣としても知られており、クマのように危険度の高い動物の目撃情報も少なからず存在します。

ここでは、そういった地域住民にとっても危険度の高いさまざまな動物をご紹介します。

イノシシ

イノシシは、近年日本の各地で生息数が増加しており、富山県でも甚大な被害を発生させています。

落葉広葉樹林から里山の2次林・農耕地などに広く生息しており、昆虫や植物の根を掘り起こして食べるという特徴があります。

また、泥浴びが好きで泥浴びによって田んぼが荒らされることもあるでしょう。

これらのことから、富山県では農作物への被害額がもっとも多く、平成29年~令和4年までの被害額は以下のように公表されています。

  • 平成29年:7,250(万円)
  • 平成30年:5,332(万円)
  • 令和1年:8,330(万円)
  • 令和2年:3,229(万円)
  • 令和3年:4,557 (万円)
  • 令和4年:4,329(万円)

また、近年はエサを求めて市街地にまで出没するケースも増えており、目撃情報の増加だけでなく人身被害にも警戒が必要です。

イノシシの市街地への出没機会を減らす方法として、以下が挙げられます。

  • 野生鳥獣の隠れ場所となる耕作放棄地や草むらなどのヤブを取り除く
  • 畑に放置した野菜クズや収穫しない果樹、二番穂といったエサとなるものを極力取り除く(生ごみもエサとなり得るため要注意)

万が一遭遇した場合は、できるだけ冷静に、イノシシを刺激しないよう背を見せずにゆっくりと後退してください。

イノシシは警戒心が強く臆病な性格をしているため、人と遭遇しても刺激を与えなければ自分からその場を去っていくことも多いようです。

急に走り出す・大声をあげる・背を向けて逃げる・物を投げるといった行為はイノシシを興奮させることにつながるため、絶対にやめましょう。
(エサを与えることも、人への警戒心の低下を招く原因となるため絶対にしないこと)

特に、発情期(晩秋~冬)や分娩後などは攻撃的になっているケースも多いため注意が必要です。

また、イノシシの子ども(うり坊)がいる場合は近くに母イノシシがいることが多く危険なため、可愛いと思ってもむやみに近づかないようご注意ください。

今後もイノシシによる被害の拡大と深刻化が懸念されており、地域住民一人ひとりが意識を高め、地域ぐるみで被害対策に取り組むことが重要といえるでしょう。

ニホンザル

ニホンザルは、常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息しており、数頭のオス成体およびメス成体とその子どもたちからなる群れで遊動生活をしています(稀に単独で生活するハナレザルもいる)。

昼行性で樹上や地上で活動することが多く、食性は雑食性で果実・種子・葉・昆虫・小動物を食べ、量的には植物食が多いとされています。

ニホンザルも日本の各地でその生息数が増加しており、いろいろな農作物を食害することから各地で問題となっている動物です。

富山県の場合、県東部を中心にサルの群れが確認されており、県内では9市町(富山市・魚津市・滑川市・黒部市・南砺市・上市町・立山町・入善町・朝日町)で生息が確認されています。

平成29年~令和4年までのニホンザルによる農作物への被害額は以下の通りです。

  • 平成29年:105(万円)
  • 平成30年:372(万円)
  • 令和1年:179(万円)
  • 令和2年:318(万円)
  • 令和3年:152(万円)
  • 令和4年:346(万円)

富山県東部を中心に、穀物ではイネ・トウモロコシなどが。野菜類では、ジャガイモ・サツマイモ・トマト・カボチャ・スイカなど。果物では、カキ・リンゴ・ブドウ・栗など、多岐にわたり農産物被害が出ています。

被害対策をおこなっているリンゴ等出荷用農産物と比較して、十分に被害対策がおこなわれていない自家消費用作物に被害や苦情が多いようです。

また、サルも市街地に出没するケースが増えており、地域住民にとっても警戒が必要です。

サルは人間にとっても馴染み深い生き物であり、見つけた際に「可愛いからエサをあげてみよう。懐くかな…?」と不用意にエサを与えるケースがあります。

しかし、このエサを与える行為が非常に危険であり、これによってサルが人に慣れてしまうと、警戒心を緩め集団で市街地に出没しやすくなり、家屋への侵入や人間に対する威嚇といった生活被害・人身被害が発生しやすくなります。

  • サルにエサをやらない。食べものを見せない
  • サルに近づかない
  • サルの目を見つめない
  • サルをからかわない
  • 大声を出さない

どれだけ地域単位で対策を講じても、エサを与える人がいてはサルの被害を無くすことはできないため、サルの特性を正しく理解しておきましょう。

シカ

シカは、地球温暖化によって暖冬となるケースが多いこと・高齢化によるハンター人口の減少などを理由として、日本各地で生息数が増加傾向にあります。

山林や林縁部など草地が入り込んだ森林環境で生息しており、富山県であれば東部・西部の里山から山地帯などの森林に広く生息しているようです。

臆病でおとなしい性格をしていることから、人間に対して襲ってくることはほとんどないものの、草食動物という観点から農業や林業に甚大な被害を与えてしまいます。

シカの被害額は、平成29年~令和3年までは大きな被害はなく、令和4年に295万円の被害が発生しています。

農作物であれば稲・麦・飼料植物などへの食害が多く、森林であればスギの若齢木の食害やオスが角をこする際に樹皮を剥がすといった行為が被害の原因となっているようです(一部ブドウ園での食害も報告されている)。

人間が育てる作物は栄養価が高く美味しいため、野生鳥獣にとってはご馳走といえるでしょう。

また、個体数が増加している地域では、自然植生への影響が大きいほか、土壌流出や飛び出してきたシカと車がぶつかる…といった問題も発生しています。

富山県では農林業被害の防止・分布域拡大による被害防止・高山帯への侵入防止などを実行するため「富山県ニホンジカ管理計画」を作成し、被害対策に取り組んでいます。

ハクビシン

ハクビシンは、額から鼻にかけて大きな白い帯があり、これが名前の由来となっています。

食肉目のジャコウネコ科に属する動物で、全身褐色で顔はやや黒い・四肢が短い・尾が長い、そして地上と樹上生活をおこなうといった点が特徴です。

もともとは外来生物ですが、富山県では1980年にはじめて富山市(旧細入村)楡原で確認され、以後は県内のさまざまな場所に分布しています。

ハクビシンは比較的小型の動物のため、人家の屋根裏や床下などに入り込み、巣を作る恐れがあります。

夜行性で夜間に棲み処付近の農作物などを食い荒らすため、食害だけでなく足音や鳴き声による騒音にも注意しなければいけません。

雑食性であるものの、特に甘みのある果実類への嗜好が強く、野菜ではトウモロコシ・スイカ・キュウリ・カボチャ・トマト・サツマイモなどが、果実や果樹であればメロン・リンゴ・カキ・モモ・ナシ・ブドウなどが、いずれも実が熟す食害されることが多いとされています。

また家屋に棲みついた場合、食害や騒音被害以外にも、糞尿による悪臭や建物の腐食・感染症の発病といった健康・建物被害にも注意が必要です。

家屋に棲みつく害獣は、他にもネズミ・タヌキ・イタチ・アナグマ・コウモリなどさまざまに存在しますが、ネズミを除きそのほとんどが鳥獣保護管理法や外来生物法によって無許可で捕獲・駆除ができません。

放置するほど被害が拡大し、防除や修繕にかかる費用が高額になってしまうため、被害を危惧される方は早めにプロの害獣駆除業者へ相談することをおすすめします。

その他

被害は年度によってまちまちではありますが、他にも地域住民や農作物に被害を与える野生動物は複数います。

もっとも危険度が高いのは、ツキノワグマでしょう。

ツキノワグマは本州に生息する熊であり、本州の各地で被害や目撃情報が増加しています。

富山県内では農林業被害だけでなく、例年、春の山菜採りでクマに遭遇し人身事故が起きており、平成16年・平成18年・平成22年・令和元年にクマの大量出没があり秋期に人身被害が多く発生しました。

もしクマが市街地などに出没すると、地域住民に命の危険がおよぶ恐れが高まります。

富山県にお住まいの方、または旅行などで富山県に訪れる予定の方は、富山県ホームページにある「ツキノワグマの目撃痕跡情報」などを確認しておきましょう。

他にも、国の特別天然記念物であるカモシカ、ネズミ・タヌキ・ウサギ・モグラといった、さまざまな野生動物によって被害がもたらされています。

本章でご紹介した上記の動物たちに比べれば被害額は少なめではあるものの、被害が発生している以上は注意すべき存在として認識しておくべきといえるでしょう。

警戒すべき鳥類

群馬県において農作物への被害が大きい鳥類は、カラス・スズメ・ムクドリ・ヒヨドリの4種です。

カラス以外の鳥類は、一般の方からすると害鳥という印象を受けないかもしれませんが、農家の方からすれば「農作物を食い荒らす」ことから警戒すべき存在といえます。

以下、富山県で警戒すべき4種の鳥類の特徴をご紹介します。

カラス

どちらも雑食性で、穀物・果実・昆虫・カエル・鳥類の卵・ヒナなどを食べるほか、残飯や動物の死体なども食べます。

平成29年~令和4年までのカラスによる農作物への被害額は以下のように公表されています。

  • 平成29年:1,711(万円)
  • 平成30年:821(万円)
  • 令和1年:1,048(万円)
  • 令和2年:2,444(万円)
  • 令和3年:845(万円)
  • 令和4年:948(万円)

農作物であれば、田植え後の苗を踏むほか、トマト・スイカ・トウモロコシなどの野菜、リンゴ・ナシなどの果樹を食べることが多いようです。

また、市街地に出没し生ごみを散らかし食害したり、鳴き声やフン、巣を作るといった被害も発生しており、地域全体で警戒と対策が必要な害鳥といえるでしょう。

スズメ

日本で生息しているスズメは「スズメ」と「ニュウナイスズメ」の2種が主です。

街中や公園でよく見かけるのは「スズメ」であり、ニュウナイスズメは林や森の中などに生息し出会う機会は少ないとされています。

一見するととても可愛らしい姿をしているものの、田んぼの畦の植物や稲を食べることから農家にとっては警戒すべき害鳥といえます(稲作の天敵である害虫を食べてくれることから益鳥と見られる面もある)。

スズメによる農作物への被害はなかなかに大きく、平成29年~令和4年までの被害額は以下の通りです。

  • 平成29年:224(万円)
  • 平成30年:22(万円)
  • 令和1年:53(万円)
  • 令和2年:49(万円)
  • 令和3年:36(万円)
  • 令和4年:4(万円)

被害は年々減少傾向にあり、令和4年度では被害額は大幅に減少していますが、今後も警戒すべき存在であることに違いはありません。

ムクドリ

ムクドリは、古くは農作物に付着する虫を食べる益鳥として重宝されていましたが、近年では果樹を食べることが問題視されており、富山県でも農作物への被害が拡大傾向にあります。

平成29年~令和4年までのムクドリによる農作物への被害額は以下の通りです。

  • 平成29年:171(万円)
  • 平成30年:87(万円)
  • 令和1年:114(万円)
  • 令和2年:431(万円)
  • 令和3年:132(万円)
  • 令和4年:117(万円)

地域に住まう人々にとっても、鳴き声による騒音やフンを落とす被害といったさまざまなトラブルを引き起こしており、今後も注意が必要な害鳥の一種といえるでしょう。

ヒヨドリ

ヒヨドリは雑食性であり、主に果実や野菜を食べ、花や蜜など甘いものを好む傾向にあります。

他の鳥があまり食べない木の実もよく食べるため、植物の種子を遠くに運ぶのに貢献しているものの、その食性から農作物(特に柑橘類などの果樹)が被害に逢いやすいといえるでしょう。

富山県では令和2年までは大きな被害が確認されていませんでしたが、令和3年・4年と立て続けに被害が発生しています。

ヒヨドリは食物繊維を自力で分解してエネルギー変換できる力を有しているため、冬場など食べものがなくなってくると、野菜にも手を出し始めます。

時期を問わず被害が発生する可能性があるため、農家にとっては警戒すべき存在といえるでしょう。

ただし、ヒヨドリは都心部などでも姿を見ることができる身近な鳥であり、カラスやハトに比べれば一般住宅やマンションなどに巣を作ることはそう多くはなく、むしろ「ヒヨドリが自宅に巣を作ると縁起がよい」といわれることもあるほどです。

また、ヒヨドリは日本の周辺にしか生息していないため、海外のバードウォッチャーの観察対象となるなど人々に人気のある鳥でもあります。

【富山県】野生鳥獣に関するよくある質問

本章では、野生鳥獣に関するよくある質問を2つご紹介します。

もし野生鳥獣を見かけたらどうしたよい?

たとえば、地面の上で小鳥がバタバタしている場合、ほとんどが「巣立ちヒナの練習」であり、どこかで親鳥が見守っています。

野生動物の場合も、子どもがいる近くには親がいることが多く、不要に近づくと親がやってきて襲われる可能性もあるでしょう。

また、怪我を負っていても最後の力を振り絞って襲ってくる・下手に保護すると野生に帰れなくなる・自然治癒力によってある程度の怪我や病気は回復するといった点からも、人・鳥獣どちらの面から見てもそっとしておくのが一番よいといえるでしょう。

野生の中で命の原則は弱肉強食であり、1つの命が別の命の糧になります。

そうやって命のサイクルが循環しており、その自然のバランスに人が手を出すべきではないともいえます。

家屋に棲みつく害獣を駆除したいのだけど…

家屋に棲みつく害獣を駆除したい(追い出したい)という場合は、プロの害獣駆除業者へ相談することをおすすめします。

その理由としては、以下が挙げられます。

  • 無許可での野生鳥獣の捕獲・殺傷は、鳥獣保護管理法で禁止されている(飼育含む)
  • 追い出しや侵入経路の封鎖など、多大な手間が発生する
  • 怪我や感染症の発病など、リスクも発生する
  • 素人が下手に対処しても、大した効果は得られない など

手間やリスクを無くし、かつ安心・安全に害獣のいない環境を整えるには、プロの助力は必要不可欠といえるでしょう。

ただし、業者によってサービス内容や防除費用には違いがあるため、複数社に現地調査・見積もりを依頼し比較したうえで、よりよい業者を選ぶことが重要です。

「いきなり業者へ連絡するのは不安…」という場合は、お住いの自治体へ相談してみるのもよいでしょう。

市役所が保健所が家屋に潜む害獣を駆除するケースは非常に稀なものの、被害の悩み相談や業者の斡旋などのサポートを受けられるケースはあります。

サポートの有無・範囲は自治体によって異なるため、事前にホームページや電話などで確認を取ってから行くことが重要です。

まとめ

野生鳥獣による被害は全国各地でさまざまに発生しており、地域ごとに然るべき対策が講じられています。

富山県でもさまざまな策が実施されているものの、野生鳥獣による被害をゼロにすることはできず、人間と野生鳥獣がどのように共生していくかが今後の課題となるでしょう。

また、農作物への被害だけでなく、家屋に棲みつく害獣にも注意が必要です。

一般の方が害獣対策をすることには限界があり、かつ多大な手間をリスクを伴うため、もし実際に被害に遭っている・害獣や痕跡を目撃した場合は、被害が大きくなる前にプロの業者へ対処を依頼することをおすすめします。

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