ネズミ対策で正露丸は有効!置くだけで勝手にいなくなるのは本当?

害獣・害虫別

「正露丸でネズミ対策ができる」と聞いたことはありませんか。
市販薬の正露丸は、当記事をご覧の方のお家にも常備されているかもしれません。
そこで今回は、ネズミ対策で正露丸は有効なのかどうかや正露丸がネズミ対策に有効とされる理由、正露丸以外のネズミ対策法について解説します。
大切なご家族や家屋に被害が及ぶ前に、適切なネズミ対策を把握しておきましょう。

1 ネズミ駆除に正露丸は一定の効果がある

結論から言うと、正露丸によるネズミ駆除は一定の効果が見込めます。
使い方はネズミが通過・生息していそうなところに正露丸を撒くだけで、簡単な予防措置にも思えます。

そもそも、正露丸とは主に軟便や下痢、食あたりなどに効果を発揮する胃腸薬です。
独特な匂いがする医薬品としても知られており、正露丸の持つ匂いこそがネズミに対する忌避剤としてある程度有効だとされています。
主成分となる「木クレオソート」は、山火事を彷彿とさせるような焦げ臭い匂いがします。
そのため、火を本能的に嫌がるネズミが危険を回避しようと、正露丸のある場所へ近寄らなくなるというのが、正露丸によるネズミ除けの仕組みです。

しかし、正露丸の販売会社である大幸薬品株式会社は、ネズミ駆除の効果を明言しているわけではありません
絶対的な効果が得られる確証はないため、あくまでも「予防できる可能性がある」方法だとお考えください。

2 なぜ正露丸がネズミ対策に使われるのか

立証された効果がないにもかかわらず、正露丸がネズミ対策として使用される理由には、以下の2つがあります。

  • 市販薬で入手しやすいため
  • 安全な印象があるため

それぞれの理由について解説していきましょう。

2.1 市販薬で入手しやすいため

正露丸は処方箋のいらない市販薬で、全国のドラッグストアやスーパーなどで誰でも購入できます。
常備薬としても名高い正露丸は害獣用の薬剤よりも身近な印象を受けやすく、すぐに試せる手軽さからネズミ対策として選ばれやすくなっています。

2.2 安全な印象があるため

正露丸は胃腸薬として100年以上もの間親しまれています。
木クレオソート以外の成分(アセンヤクやオウバクなど)も、副作用が少ないとされる生薬由来の成分からなる医薬品です。
人体にとって無害な成分でできているため安心感があり、扱いやすいイメージもあります。


以上が、手軽なネズミ対策として正露丸が取り入れられている理由です。
ただし、先述したとおり、正露丸はネズミ駆除の効果が実証されているものではありません。
確実に効果のある方法を求めるのであれば、より有効な対策を試すのがおすすめです。

3 協会が推奨するネズミ対策方法

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会は、ネズミ対策として以下の3つの方法を推奨しています。

  • ネズミ駆除用のくん煙剤
  • ネズミ駆除用の粘着トラップ
  • 登録済みの毒餌製品(殺鼠剤)

本章では、3つのネズミ対策方法と小さなお子様・ペットがいらっしゃるご家庭での注意点について解説します。

3.1 ネズミ駆除用のくん煙剤

嗅覚の鋭いネズミが嫌う天然ハーブを煙の成分に配合した、くん煙式の忌避剤です。
くん煙剤を置いた空間がまるごと匂いで充満させるため、隠れていたネズミも追い出せます。
とはいえ注意したいのは、くん煙剤の成分が家具に付着したり、煙による火災報知器の作動です。
ネズミ対策としての安全はもとより、使用後も安心して生活できるよう家具や火災報知器へのカバーを忘れずにしておくようにしましょう。

3.2 ネズミ駆除用の粘着トラップ

ネズミが通過・生息していると思われる箇所に粘着トラップを設置する方法です。
ネズミそのものを捕獲・駆除できるため、独自で行うネズミ駆除の定番となっています。
粘着トラップによるネズミ駆除については、以下の記事で詳しく解説しています。

3.3 登録済みの毒餌製品(殺鼠剤)

毒餌とは、簡単に言えば「毒を含んだ餌」のことです。
とくにネズミ対策として使用する場合、殺鼠剤(さっそざい)と呼ばれます。
殺鼠剤をネズミに食べさせることによって、駆除を目指します。
殺鼠剤は設置するだけの簡単な仕掛けですが、ご自身による死骸の回収が必要になる点には注意しましょう。

なお、毒餌製品にはさまざまな種類がありますが、用法・容量について定めた農薬登録のされている毒餌を使用するのがおすすめです。
毒餌(殺鼠剤)によるネズミ駆除については、以下の記事でもご紹介しています。

3.4 小さな子ども・ペットがいる家庭での注意点

くん煙剤や粘着トラップ、毒餌製品といった罠はいずれも設置するだけの手軽な方法です。
しかし、置くだけということは、小さなお子様やペットが薬剤を誤飲したり、トラップにかかったりする可能性も否定できません。
ネズミ対策をする際は、誤ってネズミ用の罠に触れないようにする工夫が必要です。
罠の設置場所は、お子様やペットが触れられない高所や家具の裏などの場所を選びましょう。

ただし、高所や目につかない場所に設置すれば、必ずしも安全というわけではありません。
見えづらい箇所は、罠の設置を忘れやすい箇所でもあります。
万が一ネズミの死骸の処理を忘れてしまうと、悪臭や菌の増殖などによる衛生面へのリスクが高まります。
安全性を重視する場合は、プロへの相談も選択肢に加えるのが望ましいです。

4 再発防止には侵入経路の封鎖が不可欠

正露丸の匂いでネズミを追い出せたとしても、侵入経路を封鎖しなければネズミの被害を再発させてしまう可能性があります。
一度ネズミが入った家というのは、ネズミにとっては快適で入りやすい場所です。
忌避剤に慣れたネズミや、駆除したネズミとは別のネズミが再び侵入してくることも考えられます。

体の小さなネズミはわずかな隙間からでも侵入ができ、次に挙げるようなさまざまな場所を侵入口とします。

  • 壁の穴や割れ目
  • 戸袋
  • 床下の通気口
  • 換気扇
  • 下水管
  • エアコン導入部
  • 家屋の基礎の隙間
  • 屋根の隙間

上記の侵入口の例は一例に過ぎず、ネズミが侵入しうる候補は数え切れません。
そのため、ご自身による対策ではカバーしきれない恐れがあります。

また、ネズミが侵入するのは、必ずしも地上からとは限りません。
配管の中を通ってきたり、2階以上の高さから侵入してきたりする場合もあります。
高所からネズミが出入りしているとなれば、足場を組んでの作業が必要になってくるでしょう。

徹底的にネズミの侵入経路を封鎖するには、専門家の手を借りることを推奨します。

5 ネズミ被害でお困りなら協会の無料相談をご活用ください

ネズミ対策は正露丸のようにご自身でも試しやすい方法がいくつかありますが、いずれも根本的な解決に至るものではありません。
「すぐにどうにかしたい」「費用をかけたくない」といった理由からご自身で対策をしても、被害の再発が繰り返されればタイムパフォーマンスもコストパフォーマンスも悪くなってしまうでしょう。
被害の再発や安全面、衛生面を考慮するのであれば、ネズミ駆除のプロへの相談がおすすめです。

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会ではネズミ被害でお困りの方に向け、無料相談を承っております。
駆除業者の選び方やネズミ以外の害獣による被害のご相談にも対応できますので、お気軽にご相談ください。

また、費用が気になる方は、以下の記事で駆除費用を抑えるポイントもご紹介していますのでご一読ください。

まとめ

正露丸によるネズミ駆除は、一定の効果があります。
しかしながら、忌避剤としての効果は立証されておらず、ネズミを一時的に追い出せたとしても完全にネズミの被害から逃れられるとは限りません。

「ご自身でのネズミ対策に限界を感じている」「ネズミによる被害の拡大が心配」という方は、ぜひネズミ駆除のプロの手を借りてみてください。
ご自身やご家族が安心して生活できる家屋を危険に晒さないためにも、お早めのご相談がおすすめです。

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