シロアリ駆除の費用は経費にできる?確定申告で雑損控除を受ける方法を解説!

害獣・害虫別

シロアリは放置するほどに家屋に甚大な被害をもたらすため、発見次第早急に駆除を依頼しなければいけません。

しかし、業者に依頼するとかなりの費用がかかってしまいます。

実は、シロアリ駆除は経費として計上できるケースがあり、確定申告時に雑損控除を受けることが可能です。

本記事では、シロアリ駆除を確定申告で雑損控除を受ける方法(経費に計上する方法)や適用外となるケースについてご紹介します。

シロアリ駆除にかかる費用を安く抑える方法についても解説しておりますので、業者に駆除を依頼したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

シロアリ駆除で「雑損控除」ができるって本当?

シロアリ駆除にかかる費用は確定申告時の控除対象となり得る可能性があり、税金の軽減が期待できる可能性があります。

本章では、雑損控除の意味や受ける条件、申告の方法などをご紹介します。

「雑損控除」とは?

所得税の控除のなかには「雑損控除」というものが存在します。

シロアリの駆除や修繕に関する費用は「害虫orその他の生物による異常な災害」に該当することとなり、適切な申告をおこなうことで軽減できる可能性があるといえるでしょう。

雑損控除の対象になるには?

雑損控除を受けるためには、以下の条件をクリアする必要があります。

  • 損害を受けた資産の所有者が納税者もしくは納税者と生計を一つにする配偶者やその親族でその年の総所得金額が48万円以下であること(令和元年以前は38万円以下)
  • 損害を受けた資産が「日常生活に必要なもの」(住宅・家具・衣類など)であること

また、この条件を満たしていても雑損控除の対象外(適用外)となるケースもあるため、対象となるかどうかは事前にしっかりとチェックしておきましょう。

雑損控除として控除できる金額は?

シロアリ駆除にて雑損控除を受ける際の控除額の計算方法は、以下の通りです。

  1. (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
  2. (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

この計算式のうち多い方が適用され、また最大3年間の繰り越しも可能です。

仮に駆除や修繕費用が高額となり一回の申告で控除しきれない場合は、翌年以降へ繰り越しできるため、この点も把握しておくとよいでしょう。

雑損控除を受けるには「確定申告」が必要となる

控除を受けるためには「確定申告」で必要書類を提出し、申告をしなければいけません。

申告の際には、以下書類が必要となります。

  • 「確定申告書」(雑損控除に関する事柄が記載された書類)
  • 「領収書」
  • 「見積書」

会社員の方など給与所得がある方は、年末に会社からもらえる給与所得の「源泉徴収票」の原本を別途必要とします(確定申告書に添付する)。

「確定申告をしないと控除を受けることができない=自動で割引や減税されるわけではない」という点に注意しておきましょう。

「雑損控除」の対象とならないケースとは?

必要な書類を提出し、正しく確定申告をおこなったとしても、場合によっては雑損控除の対象とならないケースもあります。

本章では、雑損控除の対象とならないケースについてご紹介します。

対象となるのは「実際に住んでいる家のみ」である

雑損控除の対象は「日常生活に必要なもの」に限定されており、たとえば家具・衣服・通勤用の自動車など、日常で実際に利用している資産が対象となります。

仕事で利用する建物や休暇の際にのみ訪れる別荘などの「住居以外の建物」は雑損控除の対象にはならないため注意しておきましょう。

シロアリの「予防」は対象外となる

雑損控除の対象となるのは、駆除または被害を受けた箇所の修繕費用であり「予防」は対象外となります。

業者に依頼する場合は「駆除」「修繕」「予防」を同時におこなうケースが多いため、駆除費用と予防費用が明確にわかるように明細を出してもらいましょう。

自身でのシロアリ駆除は対象外となる

雑損控除の対象となるのは「業者に依頼した場合のみ」であり、自身で対処した場合にかかる費用は対象にはなりません。

上記でもご紹介した通り「予防」も対象にはならないため、業者に依頼する際は事前に「雑損控除の対象にしたい」という旨を伝えたうえで、話を進めていくとよいでしょう。

シロアリ駆除を「経費」にすることはできる?

雑損控除は「日常生活に必要なもの」に限定されているため、仕事で利用する建物(事務所や飲食・小売店など)は対象にはなりません。

ただし、事業に関係する場所でシロアリ駆除をおこなった場合は、駆除にかかった費用を「経費」として計上することができます。

勘定科目は、どのように駆除をおこなったかによって変化します。

以下はその一例です。

  • 「施設維持費」:シロアリ駆除を業者に依頼した場合の費用
  • 「消耗品費」 :市販の駆除剤を購入した場合の費用
  • 「修繕費」  :建物の修繕にかかる費用 など

事業で利用されたものは経費として計上できる可能性が高いため、利用時の領収書を残しておき、確定申告時に申告をするとよいでしょう。

シロアリ駆除業者に依頼する際の注意点

正しく理解したうえで業者に依頼し申告をしないと、思わぬ出費や控除の対象とならない可能性もあるため、注意しておきましょう。

駆除・修繕費用が前もって割引されるわけではない

「控除の対象となるために確定申告をする」必要があるのですが、確定申告は毎年の2月~3月ごろにおこなうものであり、決して「業者依頼時に割引等が発生するわけではない」という点に注意が必要です。

たとえば、2024年に業者へシロアリ駆除・修繕を依頼した場合、その確定申告をおこなうのは翌年2025年となります。

「領収書」をかならず入手し保管しておくこと

雑損所得にしろ経費にしろ、確定申告時には「シロアリ駆除・修繕にかかった費用の領収書」が必要となります。

領収書がないと申告できないため、忘れずに業者に領収書を発行してもらい、確定申告時まで紛失しないよう大切に保管しておきましょう。

事前に「雑損控除」の利用を伝えておくこと

シロアリ駆除を業者に依頼した場合、基本的には「駆除」「修繕」「予防」を同じタイミングでおこなうこととなります。

なぜなら、仮に駆除をしても防止策を講じなければ再発する恐れがあるからです。

しかし、雑損控除の対象は「駆除」「修繕」のみであり「予防」は対象外となるため、それぞれで発生した費用を明確に分けておく必要があります。

業者に依頼する際は、事前に雑損控除の申告をおこなう旨を伝え、それぞれ書類を分けてもらうようにしましょう。

シロアリ駆除に関するよくある質問

本章では、シロアリ駆除に関するよくある質問をいくつかご紹介します。

どの業者に依頼するのがいい?

業者といっても、全国各地に大小さまざまな業者が存在し、業者ごとに費用が大きく異なります。

業者の規模が大きくなる(=全国的にチェーン展開している)ほど「業者を探しやすい」「安心感がある」というメリットがあるものの「融通が利きづらい」「費用が高くなりやすい」といった注意点が挙げられます。

逆に、地域密着型の中小業者ほど「依頼者の要望に適格に応えてくれる」「(大手に比べて)費用がリーズナブル」であるケースがあるものの「業者を探しにくい」というデメリットが発生しやすくなります。

店舗によっては、ホームセンターなどでシロアリ駆除・修繕の対応をしてくれるところもあるはずです。

業者によって費用やサービス内容に違いがあるため、可能であれば大小さまざまな業者から「相見積もり」を取り、より自身が納得・安心できる業者に依頼することがベストといえるでしょう。

なかには悪徳な業者も存在するため、複数の業者に相談・比較してみることをおすすめします。

自身でシロアリ駆除はできる?

シロアリの駆除は、業者に依頼せずとも自身でおこなうことも可能ではあります。

ただし、雑損控除の対象となるのは「業者に駆除・修繕をお願いしたとき」であり、予防はもちろん自身で対策した際は控除の対象にはなりません。

また、シロアリは普段人が目にする機会が少ない場所(屋根裏・床下・木のなかなど)で繁殖・活動をおこなうため、適切な知識・技術を持ち得ていない方だと対処しきることは難しいといえます。

素人が下手に対処した場合、より被害が甚大となる可能性もあるため、できれば専門の駆除業者に依頼した方がよいといえるでしょう。

業者に依頼することに比べて費用は抑えることは可能ではありますが、いずれにせよ対策には大なり小なりの費用が発生します。

この点は、被害状況や自身が持ち得るスキルなどでどうするかを決定してみるのもいいかもしれません。

シロアリの駆除費用を負担してくれるケースはある?

物件によっては、シロアリ駆除にかかった費用を負担してもらえるケースもあります。

  • 新築物件の場合:引き渡しから10年未満
  • 中古物件の場合:購入から1年未満
  • 賃貸物件の場合:基本的には貸主が駆除費用を負担する など

もちろん、すべてが上記のケースに当てはまるわけではありませんが「(期間内に)契約書上は防腐防虫処理となっているのに、実際は未処理のためシロアリが発生した」という場合は、物件の売主などに駆除・修繕にかかった費用を請求できるかもしれません。

「契約書の記載」が基本となるため、詳細は契約書を確認してから判断してみるとよいでしょう。

シロアリ被害で保険や助成金(補助金)は出る?

シロアリの被害に関係する保険は、主に以下の3つが該当するケースがあります。

  • 火災保険
  • 住宅総合保険
  • シロアリの賠償責任保険

ただし、関係こそしているものの、必ずしも上記保険が適用されるかはわかりません。

各種保険に関しては、シロアリ駆除は対象外となる(適用されるケースはレアである)ため、適用されるかの事前確認は必須といえるでしょう。

また、シロアリの駆除に関して国からの助成金(補助金)が出ることも基本的にはありません。

自治体によっては費用の補助または対策法へのアドバイスをおこなってくれる可能性もありますが、自治体によって詳細は異なるため、詳細はお住いの自治体のホームページなどを事前に確認しておく必要があるといえるでしょう。

まとめ

シロアリに関する駆除・修繕費用は、雑損控除や経費の対象になる可能性があるとはいえ、あくまで「所得から控除できる」というだけで費用の全額が返ってくるわけではありません。

業者に依頼する際は相応の費用を自身が支払う必要があるため、この点には十分な注意が必要といえるでしょう。

ただし、すべてを負担することに比べれば駆除・修繕費用が軽減される可能性があることも事実です。

「シロアリの駆除、被害に伴う修繕費用をできる限り軽減したい」という方は、雑損控除を視野に入れて業者に依頼してみるのもよいでしょう。

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