「イタチ」は、その可愛らしい容姿とは裏腹に、繁殖期ほど攻撃性が強まる害獣の一種です。
一度住み着いてしまうと追い出すことが難しくなるため、気配を感じたら早めに対策を施した方がよいでしょう。
本記事では、イタチ被害の一種である「鳴き声」の特徴についてご紹介します。
イタチの習性や鳴くタイミング・対策法についてもご紹介しているため、イタチの被害に悩まされている方は、本記事を参考に対処してみましょう。
イタチの「鳴き声」について
本章では、イタチの鳴き声について詳しくご紹介します。
イタチはめったに鳴かないものの、一度鳴きだすと甲高い声を発し、騒音被害に発展する恐れがあります。
その特徴を理解し、適切な対処を施していきましょう。
鳴き声の特徴
イタチの鳴き声は、状況に応じて変化し、以下のような音を発します。
- キーキー!
- キッキッキッ!
- ククククー! など
鳴き声によって求めている行動が異なるため、以下で鳴き声の特徴をご紹介します。
威嚇時の鳴き声
威嚇時または気が経っているときの鳴き声は「ガーッ!」「キッキッキーッ!」といった小刻みかつボリュームのある鳴き声になります。
威嚇しているときは歯をむき出しにしている(怒っている表情を見せる)ため、目にすると一目で判断できるでしょう。
イタチが威嚇体制に入るときは、自身より大きな動物の気配を感じたときや、子どもに危険が迫っているときが多いといえます。
威嚇しているとき=より攻撃的になっているため、むやみに近づかないことをおすすめします。
求愛時の鳴き声
イタチの繁殖期は3~5月であり、春先に鳴き声が頻繁に聞こえる可能性があります。
求愛時は、鳴き声だけでなく屋根裏などをバタバタと走り回る音が聞こえるため、春先に鳴き声や走り回る音が聞こえてくる場合は、早めに対策した方がよいといえるでしょう。
一度の出産で5~10匹の子どもが生まれることがあること、赤ちゃんが生まれると完全に棲みついてしまう可能性が高いことから、被害がさらに悪化する可能性があります。
子どもの鳴き声
イタチの子どもは「キーキー!」「ククククッ!」など、大人よりも小さい声で鳴きます。
これは親を呼ぶための行動であり、家屋内に巣を作って棲みついている可能性が高いため注意が必要です。
数が増えるほど駆除は難しくなるため、自身で対処しようとせずに、早めに害獣駆除業者に相談した方がよいといえるでしょう。
イタチの生態・習性について
本章では、イタチの生態や習性についてご紹介します。
また、イタチと似たアライグマやハクビシンなど、別の害獣との違いも解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
イタチの特徴
イタチは沖縄を除く日本全国に生息しており、その種類は「チョウセンイタチ」(外来種)と「ニホンイタチ」(在来種)が挙げられます。
それぞれの特徴は主に以下が挙げられます。
【チョウセンイタチ】
- 体長:25cm~39cm
- 尾長:13~21cm
- 体重:360g~820g
- 体色:黄褐色
【ニホンイタチ】
- 体長:20cm~37cm
- 尾長:8cm~16cm
- 体重:110g~650g
- 体色:茶褐色~暗褐色
イタチは山や川などの自然が多いなどに生息していることが多いものの、チョウセンイタチは都市部や民家周辺など、人の生活圏にも進出しています。
どちらにも共通している特徴は「夜行性」「動きや早い」「性格は狂暴」「危険を察知すると肛門付近の臭腺から悪臭の分泌液を発する」という点です。
また、イタチは雑食で昆虫・卵などを食べるだけでなく、肉食(小動物や小型の鳥など)を好む傾向もいます。
活動時期
イタチは夜行性のため、夜を中心に活動します。
そのため、鳴き声も夜に聞こえてくることが多いでしょう。
また、イタチの繁殖期は3~5月の春ごろであり、この時期は求愛活動として鳴き声を発する機会が多くなります。
棲みつきやすい場所
イタチは、その細身の体を活かして、狭い場所やわずかな隙間にも入り込むことができます。
また、木登りが得意で壁を上ることも可能なため、人家であればとくに屋根裏や狭い穴のなかに棲みつく傾向があります。
アライグマやハクビシンとの違い
鳴き声がうるさいことで有名な害獣として、イタチのほかにアライグマやハクビシンが挙げられます。
いずれも夜行性で夜に活動することが多く(アライグマは昼間に活動することもある)、鳴き声を発することが睡眠の妨げになることもあるでしょう。
ただし、いずれも鳴き声には若干の違いがあるため、聞き分けることができれば、鳴き声でどの害獣が棲みついているかを特定することも可能です。
【イタチの鳴き声は甲高い】
- キーキー
- クククク
- キッキッキー など
【アライグマは鳴き声の種類が多い】
- クルルル
- ミャー
- キュー
- クックックッ
- キュッキュッ
- シャー(威嚇しているとき)
- ギュッギュッギュッ(威嚇しているとき) など
【ハクビシンは大きな声で鳴く】
- キューキュ―
- ガー(威嚇しているとき) など
いずれにせよ、家のなかから上記のような鳴き声が聞こえる=害獣が棲みついている可能性があるため、早急に対処すべきといえるでしょう。
イタチによく似た害獣
イタチによく似た害獣として、同じイタチ科の動物である「テン」が挙げられます。
ただし、見た目こそ似ているものの体長は約45mとテンの方が一回り大きく、鳴き声もイタチとは異なります。
また、見た目はタヌキに似ているものの、イタチの仲間に分類される害獣として「アナグマ」もいます。
アナグマは、見た目・鳴き声ともにイタチとは異なるため、見分けはつけやすいといえるでしょう。
イタチが引き起こす4つの被害
イタチの被害は、鳴き声による騒音問題だけではありません。
イタチによる被害は日本各地で報告されており、自治体のホームぺージなどでも警戒を呼び掛けています。
本章では、イタチによる被害を4つご紹介します。
放置するほどに被害が深刻化するため、存在を感知したら早めに対策を講じましょう。
被害例①:騒音被害
イタチは夜行性のため、夜になると甲高く響く声で休まず鳴き続けます。
また、屋根裏などを動き回るイタチの足音も騒音の原因となり得ます。
繁殖期の動き回る時期や子どもが生まれたあと(=春ごろ)は、騒音被害がとくに大きくなるため注意が必要です。
騒音による幻聴・ノイローゼは、害獣被害として珍しくはありません。
被害例②:住宅の劣化
イタチが屋根裏を居住地にしている場合、断熱材を荒らされたり・住宅の建材が脆くなるといった住宅劣化の危険性が高まります。
自然界に生息しているイタチは、普段穴のなかにおり、そこで体を休めたり捕獲したエサを食べたりして生活しています。
民家(屋根裏)に侵入した場合も同じであり、イタチが屋根裏に浸入するとまず断熱材を嚙みちぎるなどして穴を開けようとします。
その後、捕獲した獲物を安心して食べるために屋根裏へエサを持ち込みます。
イタチは小動物などを食すことも多く、捕獲した小動物をしばらく放置することもあるため、断熱材の上に捕獲・捕食したあとの小動物(ねずみやうさぎなど)の骨が残っていることもあります。
これらが積もり積もって住宅が劣化していき、最悪の場合は天井が抜け落ちてしまう可能性もあるでしょう。
放置するほど、駆除だけでなく、リフォーム・修繕費用がかかるため早めの対処が大切といえます。
被害例③:糞尿・悪臭による被害
イタチの糞の臭いは、害獣のなかでも1・2を争うほどの臭さといわれています。
その理由は、主に2つの原因が挙げられます。
- 肉を好んで食べるため
- 何度も同じ場所で糞尿をするため(溜め糞という)
溜め糞の習性がある動物はマーキングをするために用を足し、排泄のために戻って来るようになります。
マーキング行動は「ここは自分の縄張りだ」とアピールするためのものでもあり、やめさせるのが難しい問題行動です。
もしも屋根裏や敷地周辺に溜め糞があると、尿混じりの糞がてんこ盛りになっている可能性があるでしょう。
屋根裏が溜め糞の被害に遭うと柱や建材などに臭いがつくだけでなく、シミが広がったり・天井の板が腐って抜け落ちることもあり非常に危険です。
少しでも悪臭を感じた場合は、早急な対策が必要といえるでしょう。
被害例④:健康被害
外部から侵入してきたイタチには、マダニ・ノミなどの寄生虫や、さまざまな病原菌が体に付着しています。
また、イタチの溜め糞は寄生虫や菌の巣窟でもあるため、アレルギー症状・皮膚疾患・菌感染などにも注意が必要です。
加えて、イタチは狂暴な性格をした攻撃性のある動物であり、引っかく・噛みつくなど人間が相手でも襲ってくることがあります。
怪我や菌感染だけでなく、イタチに噛まれると「鼠咬症」になるリスクもあることから、見た目が可愛らしいからといって決して不用意に近づかないようご注意ください。
とくに、小さなお子さんやペットと一緒に住んでいる方は要注意といえます。
イタチが棲み着いているサイン
本章では、イタチが棲みついているサインをご紹介します。
鳴き声や走る音以外にもイタチの気配がわかるポイントが3点あるため、違和感を覚えたら早めに対処法を検討することをおすすめします。
屋根裏から悪臭がする
イタチは、威嚇や警戒をすると肛門付近の臭腺から悪臭の分泌液を発する生き物です。
また、糞尿(溜め糞)が悪臭の原因にもなるため、もし屋根裏から異臭がしたらイタチの存在を疑ってみましょう。
天井にシミができている
「天井にシミができている=溜め糞の影響で糞尿が溜まっている」ということであり、危険な状態といえます。
天井にシミができていれば異臭も放っているはずなので、早急に駆除・消毒・掃除を徹底しておこないましょう。
不慣れな方が自身で対処するのは難しいため、できる限り害獣駆除の専門業者に相談することをおすすめします。
糞がある
イタチは同じ場所に糞尿をする習性があるため巣以外で見つかるケースは稀ですが、もし異臭を放つ糞が落ちていたらイタチの存在を警戒すべきといえるでしょう。
糞の形状は細長くて水分が多く、動物の毛が混じっていることが特徴に挙げられます。
糞の特徴が合致するのであれば、早急な対処が必要です。
なお、イタチはもちろん糞にもさまざまな病原菌が付着しているため、絶対に素手で触らないようにしてください。
イタチへの対処法
本章では、イタチの対処法をいくつかご紹介します。
被害が軽微であれば市販の忌避剤などで追い払える可能性もありますが、無理は禁物です。
不安を感じる方は、専門業者に早めに相談することをおすすめします。
対処法①:忌避剤で追い払う
イタチは強い臭いを放つ一方で、嗅覚に優れた生き物でもあります。
イタチが嫌う・強いにおいを発する忌避剤を利用すれば、追い出し効果が期待できるかもしれません。
忌避剤はホームセンターやネット通販などで市販のものを簡単に入手できるため、これらを活用してみるのもよいでしょう。
他にも、蚊取り線香や漂白剤などでもある程度の効果が得られる場合があります。
対処法②:光の反射で追い払う
イタチは夜行性のため光が苦手で、強烈な光を放ったり・当てたり・光るものを置いたりすることで追い出し効果が期待できます。
光を放つグッズとして、ライト・電飾・ホログラムシートなどが挙げられます。
また、アルミホイルや使わないCDなどを吊るしておくのもよいでしょう。
CDやホログラムシートは、ライト・電飾などと併用することでより効果を発揮します。
対処法③:超音波で追い払う
超音波発生装置は、害獣(動物)が嫌う周波数を発し、居心地を悪くさせ追い出す効果が期待できます。
屋内・屋外専用や屋内外のどちらでも利用できるタイプがあるため、状況に応じて必要なものを購入しましょう。
ただし、同じ周波数の超音波を発し続けているとイタチがその音に慣れてしまうため、効果は一時的なものと考えておきましょう(周波数を変えられるものであれば、多少効果は長持ちする)。
イタチ対処時の注意点
本章では、イタチ対処時の注意点をご紹介します。
イタチは、市販の対策グッズを使いある程度の対策を講じることは可能です。
しかし、自身でできることには限界があるため注意しておきましょう。
侵入経路を塞がなければ被害は再発する
仮に市販のグッズを使い追い出すことに成功しても、侵入経路が開いたままだと再侵入される可能性があります。
そのため、追い出しに成功した後は、イタチの侵入経路を特定し塞ぐ必要があることを覚えておきましょう。
ただし、侵入経路は状況によって異なるため、不慣れな方がすべてを特定・封鎖することは至難の業です。
要注意!イタチは勝手に駆除できない
イタチは「鳥獣保護法」という法律によって守られており、許可なく捕獲・駆除をすると違反となる可能性があります。
メスの場合は「捕獲」「駆除」が禁止されており、オスは「申請書」を提出しなければ駆除することができません。
そのため、イタチを捕獲器などで捕獲しようとは考えない方がよいでしょう。
鳥獣保護法に抵触する可能性だけでなく、手間や危険も伴うため注意が必要です。
早めに害獣駆除の専門業者に相談しよう!
イタチ(オス)を駆除するにも申請書を提出する必要があるだけでなく、侵入経路の特定・封鎖や忌避剤の設置、清掃・消毒までをすべて自身で対応するのは無理があります。
健康被害やケガの恐れもあるため、イタチの駆除は専門業者に任せた方が安心といえるでしょう。
- イタチの徹底駆除
- 侵入経路の特定と封鎖
- 溜め糞などの清掃と消毒
- 徹底した再発防止 など
業者に依頼すれば、長期的にイタチの被害に悩まされることが少なくなるはずです。
ただし、なかには悪質な業者が存在しており、追加費用をあとから請求してくるケースや、そもそも許可なくイタチ駆除をおこなっている業者もいます。
業者に依頼する際はかならず相見積もりを取り、複数の業者へ比較・検討・相談したうえで、より自身が安心・納得できる業者へ依頼するようにしましょう。
まとめ
イタチは、一見すると可愛らしい容姿をしていますが、人や建物に多大な被害を与える可能性ある害獣です。
放置するほどに被害が拡大する恐れがあるため、イタチの気配を感じたらできるだけ早急に対処を施しましょう。
また、不慣れな方が対処するには限界があるため、不安な方は早めに害獣駆除の専門業者に相談することをおすすめします。
コメント