野生のイタチの生息地はどこ?注意すべき害獣被害や対処法を解説

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「猫よりも少し小さな・細長い動物がうろうろしている」
「畑や家庭菜園で育てている野菜が、何者かによって食い荒らされている…」

それらは、イタチによる仕業かもしれません。

近年は、農村地だけでなく市街地でもイタチが頻繁に出没し、お住いの建物や住人にさまざまな被害を与えています。

本記事では、野生のイタチの主な生息地や、注意すべき害獣被害とその対処法についてご紹介します。

イタチの被害を危惧される方は、本記事を参考に対処を講じてみましょう。

日本におけるイタチの種類について

日本に生息しているイタチに分類される動物は意外と多く、現在だとイタチ・イイズナ・オコジョ・ミンクなど4種7亜種が存在します。

その中で、人々の生活圏に侵入し害獣被害をもたらすのは、もっぱら「シベリアイタチ」といわれています。

また、日本に古くから生息する在来種である「ニホンイタチ」も人の生活圏で被害をおよぼす可能性がありますが、シベリアイタチが原因で個体数が激減し、現在は絶滅危惧種に指定されています。

ニホンイタチは自然環境のなかで生息する割合が高いため、イタチによる害獣被害はシベリアイタチが大半を占めていると考えてよいでしょう。

野生のイタチはどこに生息している?

本章では、野生のイタチの生息地についてご紹介します。

自然界と家屋でそれぞれ住処とする場所が異なるため、その詳細を正しく理解しておきましょう。

自然界におけるイタチの生息地

上述の通り、人々の生活圏に被害をもたらす恐れがあるのは「シベリアイタチ」と「ニホンイタチ」が主となりますが、それぞれで生息範囲に若干の違いがあります。

  • シベリアイタチ:本州中部から、九州・四国といった西日本を中心に生息範囲を広げている
  • ニホンイタチ :北海道から九州にかけた日本全土に生息している

自然界においてイタチはさまざまな場所を住処にしており、特に山地や河川敷のような自然の多い場所を好む傾向にあります。

また、イタチは泳ぐことも得意としているため、河川や海岸に近い場所も住処とする可能性があるでしょう。

生息域が広いため、環境に応じて柔軟に対応できるのもイタチの特徴といえます。

家屋に棲みついた際のイタチの主な生息地

市街地などに出没したイタチは、人家に侵入し、天井裏や床下などを住処にすることが多いとされています。

イタチは垂直の壁も登れるほどに行動範囲が広いため、天井から床下までありとあらゆる場所を棲み処にされるリスクを秘めています。

また、イタチは約3cm程度の隙間があればどんな場所にも侵入できるといわれており、家屋への侵入経路も以下のようにさまざまに存在します。

  • 屋根の隙間
  • 通風口や換気扇
  • エアコン導入部・室外機近くの壁穴
  • 排水パイプ など

人家に棲みついた場合は、騒音や悪臭といったさまざまな害獣被害をもたらすため、イタチの存在や痕跡を発見したら早急に対処をおこなうべきといえるでしょう。

イタチの市街地への出没頻度が増えた理由とは?

イタチはもともと自然の多い場所に棲む動物ですが、近年は市街地に出没する事例が増加しています。

これらが原因で野生動物の生息域やエサとなるものが減少し、棲み処や餌場となる場所を求めて人里へ下りてくるようになったのです。

また、イタチの天敵として獰猛類(ワシ・タカ・フクロウなど)やキツネ・オオカミなどが挙げられますが、人が住まう場所にこれら天敵が現れることはほとんどありません。

「雨風をしのげる・天敵に襲われにくくなる・餌場に困ることがない」といった点から、家屋の屋根裏や床下はイタチにとって快適な空間であり、一度棲みつかれるとなかなか離れなくなります。

屋根裏や床下はイタチ以外の動物にとっても快適な空間であることから、ネズミ・ハクビシン・アライグマ・タヌキ・コウモリなど別の害獣が発生する可能性もあるでしょう。

いずれも住処にされると建物や住人に多大な被害がおよぶため、害獣や害獣の痕跡を発見した場合は、速やかに対処を講じることをおすすめします。

【害獣被害】イタチが棲みつくとどうなるの?

屋根裏や床下にイタチが棲みついてしまうと、そこに住まう人にとってさまざまなリスクが発生します。

本章では、イタチが棲みついた際の害獣被害をご紹介します。

人間への影響と健康リスク

イタチを含む野生動物には、その体や排出する糞尿にさまざまな病原菌や寄生虫が付着しています。

野生のイタチは獰猛かつ荒っぽい性格をしており、自身より大きな人間であっても臆せず攻撃してくる可能性が高いため、イタチから受けた怪我(傷口)から菌が入り込み病気を発症するケースもあるでしょう。

加えて、家屋内に棲みつくことで鳴き声や足音などの騒音問題・糞尿による悪臭被害を被る可能性も高く、総じて人への悪影響が懸念されます。

イタチを含め、野生動物を見つけても不用意な接触を避けること。特に、お子さんや高齢者など免疫力が低下している方はより注意が必要です。

建物や設備への被害

イタチなどの野生動物が家屋に棲みつく場合、人の目につきにくい屋根裏や床下に巣を作る傾向があります。

屋根裏や床下には断熱材(熱の移動・伝導を遅らせる素材のこと)があり、この断熱材を噛みちぎって建物の構造に損傷を与える可能性も考えられるでしょう。

なかには電気配線をかじるケースもあり、火災のリスクが高まるという深刻な問題も生じます。

また、イタチは同じ箇所に糞尿をする「溜め糞」という習性があり、もし屋根裏などで繰り返し糞尿をされると悪臭・シミ・腐食の被害が拡大し、最悪の場合は建物の倒壊につながる恐れもあります。

害獣が家屋に棲みつくことで、物的損害だけでなく、人々の生活に大きな不安をもたらす恐れがあるといえるでしょう。

食べ物や農作物への被害

イタチ科の動物は農作物に対する被害が多く、農地はもちろん家庭菜園で育てた野菜や果物を食い荒らす恐れがあります。

兎や鶏といった家畜動物を襲うこともあるため、農作物を育てている方・家畜を飼育している方にとって大きな問題となり得るでしょう。

また、イタチは雑食性のため人間が口する食材だけでなく、生ごみなども平気で口にするため、作物を育てていないご家庭でも注意が必要です。

イタチを含む野生動物の多くは夜行性であり、人が寝静まった夜間に活動することが多いとされています。

そのため、被害が大きくなってから被害に気付くというケースも多く、もし夜間に不審な物音を聞いた場合は十分な警戒が必要といえるでしょう。

【無許可で駆除できない】イタチを発見した場合にすべきこと

イタチもしくはイタチなどの野生動物の痕跡を発見した際は、被害が広がる前に然るべき対処をおこなう必要があるでしょう。

ただし、自身の判断だけで勝手に捕獲・駆除することができず、かつリスクも伴うため、見つけた際は慎重に行動しなければいけません。

自身で捕獲・駆除をする場合は、該当する狩猟免許を取得したのちに、捕獲・駆除をおこなうエリアの自治体に許可を申請する必要があります。

そもそも、野生のイタチなど野生動物に対する不用意な接触は多大なリスクを伴うため、素人がむやみに対処することもおすすめできません。

もし、イタチもしくは野生動物の痕跡(糞・足跡・鳴き声など)を発見した際は、被害が軽微なうちに害獣駆除業者に相談するとよいでしょう。

お住いの自治体によっては、害獣駆除業者の斡旋など、害獣被害へのサポート対応をしているところもあるため「いきなり業者へ相談するのは不安を感じる…」という場合は、お住いの自治体へ相談してみるのもよいかもしれません。

ただし、自治体によってサポートの有無や範囲は異なるため、事前に詳細を確認しておくことが重要です。

自身でできるイタチの侵入対策はある?

イタチなどの野生動物を捕獲・駆除するには許可申請が必要となりますが「イタチの侵入を防ぐ」「侵入したイタチを追い出す」といった対策は、自治体の許可なくおこなうことが可能です。

そのための方法としては、主に以下が挙げられます。

  • 侵入経路となる場所を、金網や柵などで塞ぐ
  • 忌避剤(イタチが嫌うニオイなど)を活用する
  • イタチが警戒する音(超音波)や光(ライト)を設置する など

仮に、家屋など敷地内に侵入したイタチを何らかの方法で追い出すことができても、侵入経路が開いたままだといずれ被害が再発してしまう恐れがあります。

侵入経路となる場所を塞ぐ・敷地内に柵を設置するなどして、イタチが再度侵入できない環境を作ることが重要といえるでしょう。

その際に、イタチが苦手とする忌避剤・超音波発生装置・ライトなどを活用することもありますが、苦手としていても「いずれは慣れて侵入してくる可能性がある」ため、罠を設置する場合は適度に罠の位置や種類を変えることをおすすめします。

イタチ被害を防ぐ最善策はプロの業者に依頼すること!

【プロの業者に依頼するメリット】

  • 敷地内に潜むイタチを徹底的に駆除してくれる
  • 侵入経路の封鎖など、再発を防止してくれる
  • イタチや糞尿があった箇所を、清掃・消毒してくれる
  • イタチ以外の害獣や害虫の駆除もしてくれる
  • 万が一被害が再発した際も、無料・格安で迅速に対処してくれる など

自身でイタチなどの野生動物を駆除するには多大な手間とリスクが生じますが、業者に依頼すれば手間やリスクなく、中・長期的に害獣・害虫被害に悩まされることがなくなります。

「自身で対処するよりも駆除費用が高額になるのでは…?」と危惧される方もいますが、総合的に判断すれば業者に依頼するほうが安く済むケースも多いでしょう。

費用面が気になる方は、複数の業者に見積もりを依頼し「自身で対処するのと、業者に依頼する場合のどちらがお得か?」を比較してみましょう。

まとめ

自然界に多く生息しているイタチですが、近年は住処やエサを求めて、人の住まう生活圏まで出没するケースが増加しています。

屋根裏や床下など、家屋に棲みつかれると多大な害獣被害が発生するため、イタチなどの害獣や痕跡を発見した際は、早急に対処すべきといえるでしょう。

一般の方が害獣が棲みついた後にできることには限界があり、被害が軽微なほど駆除・修繕にかかる費用は安くなるため、被害を危惧される方は早めに早めにプロの業者に相談することをおすすめします。

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