食べ物を一生懸命洗う仕草が大変愛くるしいアライグマ。そんなアライグマによる被害の声が多く上がっている事はご存じでしょうか?農作物を取り扱う農家は勿論、その被害は一般家庭にも及んでおり関東、近畿を中心とした人口が多い県にて多発しています。
今回は、そんなアライグマの基本的な生態から被害事例、その対策などをまとめて解説していきます。
目次
アライグマの生態
それでは初めに、基本的なアライグマの生態から解説していきます。
アライグマは体長140cm前後の夜行性生物です。長毛の毛並みと目の周りの黒さが特徴で全国各地に生息しています。
非常に賢い知能を持っており、人間の仕掛けた罠を見破ってしまうケースも多いです。。
1970年代以降のテレビアニメより飼育がブームとなりましたが、飼育放棄などにより野生化が進みました。
アライグマの愛くるしい仕草のひとつである物を洗う仕草は毒を持つ生き物の毒を洗い流す為の習性と言われています。
繁殖能力も高く、メスは生後1年で出産可能です。
主な被害事例
続いて、アライグマによる主な被害事例について解説していきます。アライグマが住み着いてしまった場合、一体どのような被害があるのでしょうか?またどのような病原菌を保有しているのでしょうか?
悪臭被害
アライグマによる被害として最も多いのが悪臭騒ぎです。アライグマが排泄する糞は非常に臭く、更に厄介なのは一か所に尿や糞を貯める貯め糞(ためふん)という習性を持っている点です。アライグマが屋根裏に住み着いた家庭では匂いは勿論糞の重みで天井が抜け落ちる、更には尿によって床板が腐るなどの被害も多数報告されています。またこれによる感染病の被害事例も多く報告されている為注意が必要です。
騒音被害
アライグマによって引き起こされる事例で挙げられるもうひとつが騒音被害です。アライグマはサイズも大きく、それだけ移動の際に発する足音もドタバタと煩いです。また夜行性である為、深夜に天井裏から聞こえるアライグマの足音によって睡眠障害を引き起こしノイローゼになったという報告も多く挙がっています。更に天井裏に住み着いたアライグマによって断熱材がボロボロにされてしまうというケースもあるようです。
健康被害
最後に解説するのは、アライグマを媒介した病原菌による健康被害です。野生に生きるアライグマは様々な病原菌を持っており、その被害は人間だけに留まらずペットや家畜にも感染する可能性を持っています。
ここでアライグマが保有する病原菌について幾つか解説していきましょう。アライグマを媒介する主な病原菌としては以下の4つが挙げられます。
サルモネラ菌
まず皆さんもご存じのサルモネラ菌。サルモネラ菌もアライグマが保有する病原菌の一つです。この菌は食中毒を引き起こし、致死率が高い病気ではないものの毎年多くの感染患者が報告されています。免疫力の低い子供や高齢者などが感染した場合、重症化の例も多くみられるので注意が必要となります。
サルモネラ菌がアライグマによってばらまかれてしまうと、調理済みの食品を保存する容器に菌が移ってしまい感染につながる可能性があります。
SFTSウイルス(マダニ)
次にアライグマの10匹に1匹が抱えていると言われているマダニ被害です。致死率が30%にも及ぶ恐ろしい感染症のひとつで発熱を始め消化器官にも悪影響を及ぼす病気です。またマダニを介する感染症としてツツガムシ病なども感染事例として挙げられています。
レプトスピラ症
次に紹介するのがこのレプトスピラ症と呼ばれる感染症です。レプトスピラ症はアライグマの排泄物に含まれる病原菌の一種で水や土壌を経て感染します。この病原菌は人間だけでなくペットにも感染する可能性があり、ワクチン開発も行われていますが完全な予防には至っておりません。
狂犬病
最後に狂犬病の解説です。狂犬病はアライグマに咬まれる事によって感染する感染病であり、発症するとほぼ100%死に至るという大変恐ろしい病気です。症状は発熱、頭痛など風邪に近い症状から始まり、錯乱や幻覚、攻撃的な状態な状態が続き最終的に呼吸停止による死亡事例が挙げられます。
対策方法
さて、ここまでアライグマによる被害事例を多く挙げてきました。それではアライグマを寄せ付けない為にはどうすればいいか、またアライグマが住み着いてしまった場合の対策をここで紹介していきます。
侵入経路の封鎖
まずアライグマ対策として有効なのが侵入経路の封鎖です。アライグマの侵入経路別に対策を説明していきます。
屋根裏からの侵入が主な場合
アライグマの侵入経路として最も多いのが屋根裏や床下です。屋根には少しの隙間も多くアライグマは手先が器用である為、対策をしないと簡単にこじ開けてしまいます。このような場合は隙間を頑丈な金網で固定すると侵入を防げて安全です。金網などはお近くのホームセンターなどでお買い求めいただけます。
通気口からの侵入が主な場合
通気口もアライグマの侵入経路の一つです。此方も屋根裏同様、金網などを設置しておくと侵入を防げます。現在は通販でも害獣対策用の金網を取り扱っている為探してみるのも良いかもしれません。
屋根に近しい周囲の木の伐採
家の周りに木が生えているならば、周囲の木を伐採する事で侵入経路の封鎖も可能です。アライグマは木登りを得意とする生き物なので周辺の木々が侵入経路となっている可能性は大いにあります。伐採しても問題がない木であれば検討してみるのもひとつの手です。
餌となり得る生ごみやペットの餌等はしっかりと処分する
アライグマ対策として有効なのが餌となり得る食品や生ごみなどの徹底管理です。
野外に生ごみなどアライグマの餌となりえるものを放置しない
人間がゴミとして捨ててしまう生ごみもアライグマにとっては御馳走です。自治体で決められた日時にゴミ出しを心掛け前日の夜から放置しないようにしましょう。屋外に置く時間を出来るだけ短くする事でアライグマの侵入を防ぐ事が可能です。
ペットが残してしまった餌などを放置しない。
野外で犬などを飼っている場合、残してしまった餌などは素早く片付ける事もアライグマ対策の一つとなります。雑食性であるアライグマにとってはペットフードも御馳走になってしまいます。ペットの食事量を把握し、食べ残しが無いよう工夫することでアライグマが住み着いてしまう可能性を減らす事が可能です。
アライグマが住み着いてるか確認してみましょう
住み着かせない様に対策は行っているがやはり住み着いてないか不安…という方の為に、ここでアライグマが自分の家に住み着いてないかをチェックしましょう。アライグマが住み着いていないか見分ける方法は以下の通りです。
アライグマの場合、天井裏からドスドスと音がする
屋根裏に住み着いてしまう生き物はアライグマを始めネズミ、イタチなど様々です。その中でもアライグマは一際サイズが大きく、夜行性生物の中でも足音が分かりやすい生き物です。もし、天井からドスドスと音がする場合アライグマの可能性があります。
糞の匂い
アライグマの被害事例でも解説した通り、アライグマの糞の匂いは大変強烈です。加えて貯め糞という習性がある為、一か所に糞尿をし続けてしまいます。その為天井の一部に茶色いシミが出来ている、天井から悪臭がする場合はアライグマが住み着いているサインと考えていいでしょう。
忌避剤の使用
アライグマを寄せ付けない有効策として挙げられるのが忌避剤の使用です。通販などでも取り扱いはありますが、こういった忌避剤はホームセンターで買えるものでも代用可能です。ハッカ油や木酢液が代表的ですね。アライグマはハッカ油の匂いを嫌いますし、匂いも嫌なものでは無い為、対策が少し楽しくなるかもしれません。
業者に依頼する
さて、ここまで様々なアライグマ対策を紹介してきましたが、実際に住み着いてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?自分で駆除を行う?いいえ、実はアライグマは鳥獣保護法という法律で保護が定められており、自己判断で駆除を行ってしまうと罰せられてしまいます。捕獲するとしても行政からの許可が必要であったり、特別な免許が必要であったり…それに何よりアライグマは知性も高く非常に狂暴な生き物、下手に手を出せば此方への被害が大きくなってしまいます。
それでは屋内に侵入してしまったアライグマはどうしたらいいのか?一番確実な方法としてはアライグマの専門である業者に依頼する方法です。以下業者選びに失敗しない方法をいくつか紹介します。
現地調査、見積もりを無料で行ってくれる
まず、業者を選ぶ際は現地見積もりを行う所に依頼しましょう。業者の多くは現地見積もりを行う事で作業内容や駆除に必要な作業を決めます。この時点で複数の業者に現地調査を依頼し、見積もりを比較して決める事で最適な駆除業者を見つけられるはずです。
多数の実績あり
業者選びのコツとして挙げられるのが実績の比較です。経験が多い業者ほどアライグマに関する知識も豊富であり駆除作業なども安心して任せられるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?動物園では愛くるしい生き物として人気のアライグマですが、野生のアライグマは大変厄介な生き物です。しっかりとした対策を行い、アライグマを寄せ付けない環境づくりをしていきましょう!また、他の害獣対策については他の記事でも紹介しております。ぜひ一度ご覧ください。
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