苦手とするニオイを活用する方法は、ハクビシン対策の一つとして有効です。
ハクビシンが苦手とするニオイはいくつか存在し、活用するために押さえておくべきポイントがあります。
本記事では、ハクビシンが苦手とするニオイや、ニオイを使った具体的な対策法と効き目を高める方法をご紹介します。
ハクビシンを自身で駆除することは困難なため、できるだけ侵入されないよう事前に対策を講じておきましょう。
目次
ハクビシンが苦手とするニオイとは?
この章では、ハクビシンが苦手とするニオイについて解説します。
苦手とするのは、ニンニク・唐辛子・木酢液・天敵のニオイであり、いずれもハクビシンの嗅覚に大きな影響を与え、その場から遠ざける効果が期待できます。
ニンニク・唐辛子
ニンニクと唐辛子はどちらも強烈な刺激臭・辛み成分があり、人間であっても苦手とする人がいるほどです。
嗅覚が敏感なハクビシンにも有効であり、ニンニクのニオイは強烈な不快感を与え、唐辛子の辛み成分は嫌悪感を引き起こすといわれています。
もし忌避剤を自作することがあれば、特に入手がしやすいニンニクや唐辛子から試してみるのもよいでしょう。
木酢液
木酢液(もくさくえき)とは、炭の製造過程で発生する煙から抽出される液体のことです。
木炭を作る際に発生する煙の成分を冷やして作る液体のことを「粗木酢液」といい、さらに不純物を除去し蒸留したものを「木酢液」と呼びます。
焚き火の煙のような”燻したニオイ”が非常に独特であり、この匂いが虫除けや害獣よけになるといわれています。
どうやら木酢液が発する”燻したニオイ”が動物が怖がる山火事のニオイを想起させ、ハクビシンにとって危険信号として認識、強い忌避感を引き起こすようです。
なお、木酢液の成分のうち90%が水分ですが、有効な主成分として酢酸が多いことやアルコールなど約200種類以上の成分が他にも含まれているため、取り扱いには注意が必要です。
酢酸が主成分というだけあってpH1.7~pH3.7と酸性が強く、利用の際は希釈しなければいけません。
天敵のニオイ
ハクビシンの天敵として挙げられるのは、以下の動物です。
- 猫や犬
- 獰猛類(フクロウ・タカ・ワシ・ハヤブサなど)
- アライグマ
- オオカミ
天敵のニオイに対して強い警戒心を示すため、ハクビシン対策として非常に有効です。
天敵およびそのニオイを用意することは難しいものの、天敵のニオイを用いた忌避剤が市販で販売されているため、それを購入するのが手っ取り早いでしょう。
もし猫や犬と一緒にお住いの方はハクビシンを追い返してくれる可能性はあるものの、逆に襲われる可能性もあるため注意が必要です。
侵入経路になりやすい場所に猫・犬用のトイレを設置するだけでもハクビシン避けになるため、まずはトイレの位置を変えてみるのがおすすめです。
ニオイでハクビシン対策をする方法
本章では、ハクビシンが苦手とするニオイで対策する具体的な方法について解説します。
ニンニク・唐辛子を効果的に使う方法
もしニンニクや唐辛子を使った忌避剤を自作する場合は、潰したニンニクや唐辛子を穴の開いたペットボトルに入れて気になる箇所に置いておくだけで効果を発揮します。
また、庭やベランダなどでニンニクや唐辛子を育てるだけでもある程度の効果が期待できるでしょう。
ただし、ニンニクや唐辛子の臭いは時間とともに薄れていくため、定期的に同じ作業を繰り返す必要があるという点に注意が必要です。
木酢液を使った対策法
木酢液も簡単に自作できます。
まず、市販されている木酢液を購入し、原液を説明書通りに希釈します。
その後、複数の小さな穴を開けたペットボトルに入れて置いておくだけです。
ペットボトルの穴から特有のニオイがして、ハクビシンを追い払う効果が期待できます。
希釈した木酢液をスプレーに入れて、気になる箇所に散布するのも効果的です。
ただし、こちらもニンニクや唐辛子を使用するのと同様に徐々に効果が薄まるため、定期的に同じ作業を繰り返す必要があります。
市販の忌避剤の種類と使い方
天敵や苦手とするニオイを用いて作られた市販の忌避剤には、主に固形タイプ・獣よけ線香・激臭シートの3種類が存在し、それぞれの特徴は以下の通りです。
【固形タイプ】
- 固形物を置くことで効果を発揮する
- メリット :置くだけで簡単に使用できる
- デメリット:誤飲のリスクがあるため、子どもやペットの手の届かない場所に設置する必要がある
【獣よけ線香】
- 蚊取り線香の害獣タイプであり、火をつけて適切な場所に置くことで効果を発揮する
- メリット :火をつけて置いておくだけで簡単に使用できる
- デメリット:人にも刺激があるため使用には注意が必要・屋内では使えない・火災のリスクがある
【激臭シート】
- 短冊のような形をした長方形のシート上の忌避剤
- メリット :メンテナンス不要で効果も1年ほど持続するため、初心者にもおすすめ
- デメリット:屋内では使用しないほうがよい
どのタイプにもメリット・デメリットがあるため、使用場所やご家庭の環境に応じて適切なものを利用しましょう。
また、一般家庭であれば、獣除け線香の使用はあまりおすすめできません。
火事などのリスクを伴うこと・屋外でしか使用できず近隣住民に迷惑がかかる恐れもあるからです。
獣よけ線香の詳細については、以下記事にて解説しておりますので、合わせてご確認ください。
ハクビシンに線香は効果がある?獣除け線香の特徴や使い方・注意点を解説!
【ハクビシンの苦手なニオイ】効果を高める5つのポイント
ハクビシンが苦手とするニオイを用いた忌避剤は、設置するだけで効果を発揮するものがほとんどです。
しかし、ただやみくもに設置しただけでは適切な効果が得られない可能性があります。
この章にて、忌避剤の効果を高めるポイントを5つご紹介します。
ニオイを定期的に変更する
苦手なニオイであったとしても、同じニオイをかぎ続けているといずれ慣れ「害がない」と判断すると、警戒心を解いて侵入してくる恐れがあります。
効果が薄れてしまう(慣れてしまう)ことを避けるために、定期的にニオイを変えて効果を持続させていきましょう。
ハクビシンの高さに合わせる
鼻に近い位置にニオイのもとがあるほどより高い効果を発揮するため、ニオイの発生源をハクビシンの鼻の高さに合わせて設置することが重要です。
ハクビシンは四足歩行で移動するため、地面に近い場所に設置することでニオイをしっかりと感じ取ってくれるでしょう。
侵入経路や巣の近くに設置する
ハクビシンの侵入経路となり得る場所や巣の付近に罠を設置することで、ハクビシンの侵入を防いだり・追い出し効果が期待できるでしょう。
ハクビシンの主な侵入経路は、以下の通りです。
- 壁や屋根の穴が空いている場所
- 屋根同士が重なっている隙間
- 通風口 など
そして、ハクビシンが家屋に浸入した場合、巣を作りやすい場所は屋根裏や床下が挙げられます。
ハクビシンは木登りが得意で、木を伝って屋根から屋根裏に侵入し棲み処を作る傾向があります。
特に、屋根裏には警戒しておいたほうがよいため、可能であれば屋根裏に罠を設置しておくと安心といえるでしょう。
素手で罠に触らない
ハクビシンは警戒心が強い動物のため、人間のニオイを感じ取ると警戒して別の場所へ移動してしまいます。
そのため、ニオイを用いた罠を作成・設置する際は、手袋を使用して素手で触れないことが重要です。
人のニオイがしない場所で警戒が緩んだところに苦手とするニオイが設置してあれば、ハクビシンもびっくりしてその場を去ろうとするでしょう。
人やペットの近くに罠を設置しない
木酢液・ニンニクなどの刺激が強いニオイは、ハクビシンだけでなく人やペットにも悪影響をおよぼす可能性があります。
そのため、ニオイを用いた罠を設置する際は、極力人間やペットの生活圏内に設置しないことが重要です。
子どもやペットがいるご家庭だと、手などで直接触れる・吸い込む・(罠によっては)誤飲する恐れもあるため、より注意が必要といえるでしょう。
ハクビシンを追い出したあとは予防対策も徹底しよう!
もしも、すでに家屋に浸入・棲みついているハクビシンの追い出しに成功した場合、被害の再発を防ぐための対策を講じなければいけません。
その方法としては、主に以下が挙げられます。
- 巣や糞尿を除去する
- 清掃・消毒をおこなう
- 侵入経路封鎖する
ハクビシンがいた場所にはハクビシンのニオイが残っているため、他のハクビシンを引き寄せる原因となり得ます。
また、ハクビシンがいた場所にはノミやダニなどの害虫が潜んでいる可能性があるため、徹底的に清掃・消毒をおこなうべきです。
これらの対処をおこなう際は、健康被害や感染症のリスクをなくすため、防護手段を整えたうえで作業するようにしましょう。
また、追い出しに成功し清掃・消毒をおこなったとしても、侵入経路が開いたままでは被害が再発する恐れがあります。
侵入経路の封鎖は、市販のパンチングメタルやシリコンなどを使って塞ぐことができるため、侵入経路となり得そうな場所を見つけ次第、徹底的に封鎖しましょう。
無許可で駆除できない!?プロへの依頼をおすすめする理由
ハクビシンなどの害獣は、ネズミなどの一部を除き、そのほとんどが「鳥獣保護管理法」という法律によって保護・管理されており、たとえ被害に遭っていても無許可で捕獲や駆除ができません。
許可なくできることは侵入の予防と追い出しのみであり、すでに家屋に浸入しているハクビシンを追い出すにも、多大な手間とリスクが生じます。
そのため、ハクビシンの被害を未然に防ぎたい・ハクビシンによる害獣被害をなくしたいという方は、問題が発生する前にプロの害獣駆除業者へ対処を依頼すべきといえるでしょう。
害獣の駆除に精通したプロに依頼すれば、適切にハクビシンの防除をしてくれるだけでなく、被害の再発防止・再発時の迅速かつ格安な対処もおこなってくれます。
害獣駆除業者は全国各地さまざまに存在し、それぞれで費用やサービス内容に違いがあるため、近隣の業者をいくつかピックアップして相見積もりを取り、より自身が安心・納得できる業者へ依頼することをおすすめします。
ハクビシンの「ニオイ」に関するよくある質問
本章では、ハクビシンの「ニオイ」に関するよくある質問をご紹介します。
ニオイでハクビシン対策をするメリットとは?
ハクビシン対策をニオイを用いておこなうメリットは、コスト・手間・リスクが総じて少ないことが挙げられます。
たとえば、ニンニクや唐辛子はスーパーなどで簡単に購入でき、かつコストも安く済みます。
自作する際もペットボトルに穴を開けてニンニクや唐辛子を入れる程度の手間しかかからず、初心者でも取り組みへのハードルが非常に低いといえるでしょう。
また、ニオイでハクビシンの命を奪うことはないため、法律に触れることもなく、自治体へ許可申請をおこなう必要もありません。
ハクビシンが好む食べ物はなに?
ハクビシンは雑食性で、人が口にする食材から廃棄予定の生ごみまで、なんでも口にします。
そのなかでも、ブドウ・ミカン・バナナ・イチジク・イチゴといった、甘くて柔らかい果物を好む傾向にあります。
もし目の前に上記のような甘くて柔らかい果物があればそれを優先的に食べ、他に食べるものがなかった場合にそれ以外のものを口にする可能性があるといえるでしょう。
ハクビシンやハクビシンのフンはどんなニオイがする?
まず、ハクビシンの糞尿は、独特のツンとしたアンモニアのようなニオイを発します。
そして、ハクビシン自身には糞尿を隠したり清掃する習性がなく、かつ溜め糞によって同じ箇所に糞尿をする癖があるため、時間が経つほどにニオイが蓄積され強まっていくのが特徴的です。
初めのうちはそれほどニオイを感じなかったとしても、時間が経つほどにニオイは強まり、最終的には人間が耐えられないほどの強烈な悪臭を発することになるでしょう。
また、もしハクビシンが死亡していた場合、糞尿とは異なる独特の悪臭を発するため、これもすぐに異臭を感知できるでしょう。
(腐ったチーズ・クサヤ・生ゴミなどのニオイが連想される腐敗臭を発するのが一般的といえる)
棲みついている・死骸があるのどちらにしても、周辺環境は最悪なため、素人がやみくもに対処するのは危険です。
即座に害獣駆除の専門業者へ相談し、適切な対処を実施してもらいましょう。
まとめ
ハクビシンが苦手とするニオイにはいくつかの種類があり、それを活用した市販の忌避剤なども販売されています。
ニンニク・唐辛子・木酢液などを用いて自作するのもよいですし、手間を省きたい場合は市販のものを利用して対策を講じてみるとよいでしょう。
ただし、同じ罠を使い続けているといずれは慣れて侵入してくる可能性がありますし、すでにハクビシンが棲みついていた場合は追い出すのに多大な手間とリスクが生じます。
少しでも不安を感じる方は、被害が拡大する前にプロの業者へ対処を依頼するのがよいでしょう。
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