ネズミは家屋だけでなく、人間の心身にも被害を及ぼしかねない害獣です。
よって、ネズミの足跡を家の周辺で見かけたら、被害の拡大と再発防止のために早急な対策が必要になります。
本記事では、ネズミの足跡の特徴やその他の害獣のものとの見分け方、家に侵入されているサインなどを解説します。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

1. ネズミの足跡はどんな形?他の害獣との見分け方

見つけた足跡がどの害獣のものかが特定できれば、次に取るべき行動を調べやすくなります。
害獣の種類によっては法的にご自身で駆除してはいけないこともあるため、最初にネズミの足跡かどうかを判別することが重要です。
1-1. ネズミの足跡の特徴
日本国内の家屋に侵入するネズミは、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種類です。
足跡の大きさは侵入している種類や個体差によって異なりますが、いずれの種類も形には違いがありません。
ネズミの足跡は前足が4本指で、少し大きい後ろ足が5本指となっています。
指と肉球の間は離れており、大きさが1〜2cmほどの細長い形です。
俊敏に動き回るため、ちょんちょんとたくさんの足跡がつくのが特徴です。
さらに、尻尾の跡が足跡の間に残ることも多く、足跡の大きさと尻尾の跡である細長い線の有無で他の害獣とも見分けがつきやすくなります。
1-2. 他の害獣の足跡とはどこが違う?
家屋に侵入するネズミ以外の害獣は、イタチやハクビシン、アライグマが代表的です。
これらの足跡はネズミのものよりも大きく、見分けはつきやすいでしょう。
また、ネズミ以外の害獣の指は5本であることが多く、指の本数からも判別しやすいと言えます。
2. 足跡だけじゃない!家にネズミがいるサイン

ネズミが家屋に侵入していても、必ずしも足跡が残されているとは限りません。
小さくて見つけにくく、足跡の有無がわからないことも多いでしょう。
しかし、足跡以外にもネズミの侵入を示すサイン(ラットサイン)は存在します。
足跡を見つけるのが難しければ、次のラットサインをチェックしてみましょう。
- 黒いこすり跡
- フン
- かじり跡
本章ではそれぞれのラットサインについて、解説します。
2-1. 黒いこすり跡
視力の弱いネズミは、壁や柱などに体をこすりつけさせながら移動をする習性があります。
そのため、ネズミの通路には、体表に付着していた脂や汚れによる黒いこすり跡が残るのです。
加えて、ネズミは同じところを何度も通るため、始めは薄かった汚れも次第に黒さを増していくようになります。
2-2. フン
ネズミは排泄をしながら移動をすることで、通路となる場所にはフンが落ちている可能性があります。
フンの大きさや形状は種類によって異なるため、それぞれの特徴を把握すればどのネズミが侵入しているかも特定できるでしょう。
| ネズミの種類 | フンの大きさ | 色・形状 | 落ちている場所 | 
|---|---|---|---|
| ドブネズミ | 10~20mm | ・黒っぽい色や焦げ茶 ・丸く太い | ・水回り ・キッチン ・排水管周辺 | 
| クマネズミ | 6~10mm | ・茶色や灰色 ・丸く細長い | ・天井裏 ・屋根裏 | 
| ハツカネズミ | 4~7mm | ・茶色 ・両端が尖っている | ・物置 ・倉庫 | 
なお、ネズミの排泄物によって、天井にシミが発生することがあります。
フンや尿によるシミは健康被害をももたらしかねませんので、下記の記事をご参考に適切な対処を行ってください。
2-3. かじり跡
ネズミには「常生歯」という伸び続ける歯が備わっています。
常生歯が伸びたままでは食事が摂取できないことため、常に何かをかじって歯を削る習性があります。
ネズミに侵入された家屋では、柱や壁、家具、配線などがかじられやすいです。
特に配線にかじられた跡がある場合、漏電や停電、ショートによる火災の原因となりやすいためすぐに使用を中止しましょう。
配線をかじられることによる被害は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
3. 自分でもできるネズミへの対処法

侵入してきたネズミには、ご自身でもある程度の対処が可能です。
ネズミを放置すると短期間で大量に繁殖するため、早急に追い出しや駆除を行いましょう。
大まかな対処の流れは、次の通りです。
- 餌になるものをしまう
- 忌避剤で追い出す
- トラップ・毒エサを仕掛ける
各ステップにおける詳細を解説します。
3-1. 餌になるものをしまう
ネズミが家屋に侵入してくる目的は、食料を確保することです。
侵入した場所が安全で空腹を満たせる環境であれば、巣を作って棲み着き、繁殖しようとします。
つまり、ネズミにとって都合の悪い「餌のない場所」にすることが重要です。
ネズミに食べられそうな食品は、フタ付きの容器や扉付きの戸棚、冷蔵庫などにしまいましょう。
調理かすや食べかすも恰好の餌になるため、こまめな清掃も欠かさずに行うのが望ましいです。
また、ネズミの餌となるものは、人間の食料だけとは限りません。
昆虫や石鹸、ろうそく、ペットフードなども餌にすることがあります。
よって、日用品は容器に入れて保管したり、昆虫の寄り付かない環境に整えたりする工夫も必要です。
3-2. 忌避剤で追い出す
餌を隠したら、次は棲み着いているネズミを追い出しましょう。
追い出しには、市販の忌避剤を使用します。
忌避剤はネズミの苦手とする成分やニオイを利用して、追い出す効果が見込めます。
種類はスプレータイプやくん煙タイプ、設置タイプなどがあり、使用するエリアや用途によって使い分けるとよいでしょう。
ただし、忌避剤の持続性は低く、長期的に使用しているとニオイに慣れてくる個体が出てきます。
中には元から耐性のある個体がいる場合もあり、ネズミが全くいない状態を作るためには次に解説する「駆除」のステップが欠かせません。
なお、忌避剤の中では、くん煙タイプのものが隠れているネズミにもニオイや成分を届けやすくおすすめです。
くん煙剤の推奨商品や詳細については、以下の記事からご覧いただけます。
3-3. トラップ・毒エサを仕掛ける
被害から解放されるには、侵入しているネズミを一網打尽にする必要があります。
忌避剤で全てのネズミを追い出すことは難しいため、トラップや毒エサを利用して駆除しましょう。
トラップは粘着シート・カゴ式トラップ・バネ式トラップなどの種類があり、ホームセンターや通販などでも販売されています。
設置するだけでネズミを捕獲でき、扱いも簡単です。
ただし、自分で殺処分をしなくてはいけない点や生きたままのネズミを目撃する可能性がある点は注意が必要でしょう。
一方、毒エサはネズミに食べさせるだけで効率的に殺処分できる方法になります。
とはいえ、毒性の高い薬剤を使用することから、小さなお子様やペットが誤って口にしないよう注意しなくてはなりません。
また、警戒心の強いネズミはそもそも毒エサに寄り付かないこともあります。
いずれの駆除方法も必ず効果が出るものではないことを、あらかじめ把握しておきましょう。
4. 本格的なネズミ駆除はプロへの依頼がおすすめ

個人で完璧なネズミの追い出しや駆除が難しいことは、前章まででおわかりいただけたでしょう。
プロへの依頼が望ましいのは、侵入しているネズミを徹底的に退治できるという理由があるからです。
そして、プロによる駆除が合理的だと言える理由はもう2つ存在します。
4-1. 再発対策を自分で行うのは高難易度
被害を根絶するには、再びネズミを侵入させないことも重要です。
体の小さいネズミは、2.5cmほどのわずかな隙間からでも侵入できます。
そのため、侵入経路になりやすい隙間を全て封鎖しなくてはなりません。
しかし、侵入口となる箇所は壁の割れ目やエアコン導入部、屋根・軒下の隙間、床下の通気口など多岐にわたります。
個人で全てを確認・封鎖するのは非常に困難なため、ネズミの生態や習性を熟知するプロへ相談したほうがよいでしょう。
4-2. 感染症・怪我・法律違反のリスクを減らせる
不衛生な環境で活動するネズミは、体やフンにあらゆる病原菌を保有しています。
したがって、死骸の処理やフンの清掃時には、感染リスクを伴います。
また、ネズミによっては高所に棲み着いていることもあり、駆除する際に転倒・落下による怪我の恐れもあるでしょう。
中には攻撃性が高まり、噛んでくる個体もいるかもしれません。
さらに、冒頭で触れたように、ネズミ以外の害獣を誤って駆除してしまうと法に抵触する可能性もあります。
プロに駆除を依頼すれば、これらのリスクを回避して駆除と再侵入予防が完了します。
5. ネズミ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

足跡を含むラットサインは、簡単に見つかるものもあれば、小さかったり曖昧だったりして見つけづらいこともあります。
侵入の証拠となるラットサインが見つからなければ、次に移すべき行動もわからなくなるでしょう。
ネズミの侵入が疑われた場合、ぜひ日本有害鳥獣駆除・防除管理協会の無料相談をご活用ください。
ラットサインを見つけやすくする方法や他の害獣の侵入サインなど、様々なアドバイスをお伝えいたします。
優良駆除業者のご紹介も可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

まとめ
ネズミの足跡は1〜2cmほどの大きさで、細長い形をしています。
左右の足跡の間に尻尾の跡が残ることもあり、他の害獣とは大きさや指の本数で見分けがつきやすいです。
ほかにも黒いこすり跡やフンなどのラットサインで、ネズミの侵入が把握できます。
ネズミの侵入がわかり次第、早急に業者への駆除依頼がおすすめです。
 
 
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