愛媛県にはどんな害獣が生息している?害獣の種類や被害内容・具体的な駆除方法を解説!

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野生鳥獣による被害は、日本全国のどこに住んでいても遭遇する可能性があります。

野生鳥獣による農林水産被害だけでなく、近年は市街地などに出没・家の中に棲みついて害獣被害をもたらすものも増えているため、日本に住むすべての方が注意しなければならない問題です。

ただし、気候や環境は地域ごとに異なるため、日本全国に生息する動物もいれば、特定地域にしか生息しない動物もいます。

愛媛県であれば、どのような野生鳥獣が生息し、住民にどのような被害をもたらしているのでしょうか。

本記事では、愛媛県において出没しやすい害獣の種類や特徴をご紹介します。

害獣の具体的な防除法についても解説しておりますので、害獣の被害にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

愛媛県とはどんな地域?どんな野生鳥獣が生息している?

愛媛県は、日本の四国地方の北西に位置する県です。

県内は、県東部を「東予」・県中央部を「中予」・県南部を「南予」という3つの地域に大別され、それぞれで特徴が異なります。

本章では、愛媛県の地域性や気候、生息する野生動物の特徴などをご紹介します。

愛媛県の気候や土地環境

瀬戸内海側は、海に面して道後平野(松山市など)や道前平野(新居浜市、西条市など)が広がっており、宇和海のほうは、出入りの多いリアス式海岸となっています。

また、南側の高知県との境付近には、西日本最高峰の石鎚山といった四国山地がそびえており、海・山の双方で自然に恵まれた地域です。

愛媛県の年平均気温は17℃前後であり、内陸の山間部に近づくにつれて気温が下がり、12~15℃となります。

気候は温暖で雨が少ないことが特徴に挙げられ、とくに東予の降水量は約1,200mmと、日本でも降水量の少ない地域にあたります(中予は約1,300mm、南予は約1,650mmといわれている)。

冬季は、平野部では積雪はほとんど見られませんが、山間部では積雪も多く、ウィンタースポーツを楽しむこともできます。

地域や四季によって、多様な気候に富んでいることも愛媛県の魅力の一つです。

なお、東予・中予・南予に三分される愛媛県ですが、産業においても地域によって大きく様相が異なります。

  • 東予:製造業が中心であり、瀬戸内工業地域の一角を担っている
  • 中予:松山市を中心とした地域で、政治・経済・商業活動の中心として第三次産業が主力(松山市だけで愛媛県の人口の3分の1を占めて)。また臨海部には化学工業も発達している
  • 南予:柑橘類や養殖漁業を中心に第一次産業に特化している。ただし反面、製造業の集積が貧弱で、経済基盤も脆弱といえる

農業の特徴と生息する野生動物

愛媛県は、農業や林業も盛んにおこなわれており、特に柑橘類は県下各地で生産されています。

とくに有名かつ生産量の多い農作物は以下の通りです。

  • 裸麦      :生産量日本一
  • キウイフルーツ :生産量日本一(全国シェア約2割)
  • いよかん    :生産量日本一(全国シェア約9割)
  • みかん     :生産量全国2位(全国シェア約16%)
  • ポンカン    :生産量全国1位(全国シェア約35%)
  • ハッサク    :生産量全国3位(全国シェア約1割)
  • 栗       :生産量全国3位(全国シェア約1割)
  • ネーブルオレンジ:生産量全国4位(全国シェア約1割)

愛媛県といえばみかんが有名な地域ですが、他にもいよかん・キウイフルーツ・栗なども有名です。

しかし、自然が多く・農業や林業も活発におこなわれていることから、野生鳥獣による農作物への被害も多いことが問題視されています。

愛媛県にはイノシシ・ニホンジカ・ニホンザル・アカギツネ・イタチ・アナグマ・タヌキ・ウサギなどさまざまな野生動物が生息していますが、近年は自然環境の減少によってエサ場や棲み処を求めて人の生活圏へ出没動物も増加傾向にあり、地域全体で被害を防ぐための対策も実施しています。

愛媛県の野生鳥獣による農作物への被害について

愛媛県は、自然が多く気候はおだやか。また災害も少ないため、人にとっても野生鳥獣にとっても住みやすい地域といえるでしょう。

しかし、同時に野生鳥獣による農作物への被害も深刻化しているのも現状です。

本章では、野生鳥獣による農作物の被害状況や、注意すべき鳥獣についてご紹介します。

令和5年度の農作物への被害状況

近年、野生鳥獣による農林水産被害は全国的に問題となっています。

愛媛県においても、農作物の食害はもちろん圃場や石垣を荒らされるといった被害が年々深刻化しており、生産意欲の後退につながる大きな問題として取り上げられているのが現状です。

「東予」「中予」「南予」で被害額が大きく異なり、地域別に見た際は以下の通りです。

  • 南予:2億2,284万円 (93%)
  • 東予:7,230万円 (101%)
  • 中予:4,995万円 (88%)

とくに、農業・林業などの第一次産業が特化している南予の被害額は他と比べて非常に大きいことがわかります。

鳥獣別に農作物の被害額をみると、獣類はイノシシ・サル・ハクビシン・シカが多く、鳥類はヒヨドリとカラスが他より抜きんでで被害額が多いようです。

参考:愛媛県 令和5年度鳥獣による農作物等の被害状況について

【獣類による被害額】(東予・中予・南予の総計)

  • イノシシ :1億9,014万円
  • サル   :2,987万円
  • ハクビシン:2,358万円
  • シカ   :1,902万円

【鳥類による被害額】(東予・中予・南予の総計)

  • ヒヨドリ :3,855万円
  • カラス  :2,991万円

作物別に見た場合、果樹が他と比べて圧倒的に被害が多いことも確認できます。

  • 果樹     :2億6,772万円
  • 稲・麦    :3,491万円
  • その他イモ類等:2,633万円

加えてニホンジカによる森林被害も、前年に比べて被害が減ってはいるものの、令和5年度は8,106万円という被害額が公表されておりこちらもさらなる対策を講じていく必要があるといえるでしょう。

農作物への被害で特に注意すべき鳥獣とは?

以下では、上記でご紹介した農作物への被害額が大きな野生鳥獣6種(獣類4種、鳥類2種)の特徴などを解説します。

本章でご紹介する数値は、愛媛県 令和5年度鳥獣による農作物等の被害状況についてを参考にしております。

イノシシ

イノシシは、愛媛県における農作物被害のなかで、もっとも被害額が大きな野生動物です。

令和1年度~令和5年度までの被害額は以下の通りとなっています。

  • 令和1年度:2億2,435万円
  • 令和2年度:2億741万円
  • 令和3年度:2億2,103万円
  • 令和4年度:2億825万円
  • 令和5年度:1億9,014万円

(令和3年を除き)被害は年々少しずつ減少しているものの、毎年億を超える被害を出しているため今後も徹底した対策を講じていく必要があります。

イノシシの被害額は地域によって異なり、また被害作物にも大きな違いが見られます。

【令和5年度:地域別の内訳(千円)】

  • 東予:47,995
  • 中予:33,416
  • 南予:108,729

【令和5年度:作物別の内訳(千円)】

  • 稲・麦:29,282
  • 果樹 :134,038
  • 野菜 :6,401
  • その他:20,419

やはり、農業が盛んな南予かつ果樹がもっとも被害が大きいようです。

また愛媛県内にて、イノシシが市街地に出没するケースも増加しており、人身被害にも十分な注意が必要です。

イノシシは本来臆病で警戒心が強いため、人と出会ってもイノシシのほうから逃げていくことがほとんどです。

しかし、興奮状態にあると突然襲ってくる恐れがあるため、遭遇した際は以下の点に注意しましょう。

  • 静かに、ゆっくりとその場を離れる(背中を見せずにゆっくりと静かに後退する)
  • 威嚇したり、刺激を与えない
  • 不用意に近づかない

イノシシの力は非常に強く、襲われれば最悪命の危険性すらあり得ます。

もし、イノシシに遭遇してしまったら、できる限り冷静に、上記のことに気をつけてイノシシから見えない場所やイノシシが簡単に登れない場所に避難しましょう。

サル

サルは、かつては山奥のみに生息している動物でしたが、耕作放棄地の増加や里山の荒廃により生息域を拡大しています。

今では、市街地に出没する・畑などを荒らすなどして、サルによる人間への被害も増加しているのが現状です。

農作物への被害が非常に大きく、令和1年度~令和5年度の被害は以下のように公表されています。

  • 令和1年度:3,197万円
  • 令和2年度:3,250万円
  • 令和3年度:3,602万円
  • 令和4年度:3,513万円
  • 令和5年度:2,987万円

令和4年から令和5年にかけて約600万円ほど被害額が減少していますが、それでも3,000万円近くの被害が出ているため、今後も徹底した対策が求められます。

さらに、サルの農作物被害において、地域別・作物別の被害額は以下のように公表されています。

【令和5年度:地域別の内訳(千円)】

  • 東予:11,522
  • 中予:5,688
  • 南予:12,659

【令和5年度:作物別の内訳(千円)】

  • 稲・麦:225
  • 果樹 :22,256
  • 野菜 :2,947
  • その他:4,441

東予と南予の被害額が比較的近く、どの地域に住んでいてもサルへの警戒は必要といえます。

また、サルは市街地へ出没するケースも増えているため、地域に住むすべての人がその被害に注意しておかなくてはいけません。

サルは雑食性であることに加え、記憶力が高く・執着心が強いという特徴があります。

場所や事柄を覚えて行動し、一度人間の食べ物の味を覚えると再度同じ場所に出没する可能性が高まるでしょう。

もしもサルと遭遇した場合は、距離が遠いときは「音を鳴らすなどしてアピールする」、距離が近いときもしくはサルが逃げない場合は「刺激しないようゆっくりと距離をとる」などで対応してください。

ニホンザルは臆病な性格をしているため、人間側から刺激しない限りは自ら距離を取ってくれることが多いでしょう。

ただし、サルの目を見てしまうと攻撃の合図となってしまうため、直接目を見ないようにしつつ・視界に捉えたまま後ずさることが重要です。

ハクビシン

屋根裏の動物5 アライグマ

ハクビシンは日本の各地域に生息する野生動物であり、愛媛県でもその被害は問題視されています。

まず、令和1年度~令和5年度までの被害額は以下の通りです。

  • 令和1年度:2,439万円
  • 令和2年度:2,471万円
  • 令和3年度:2,260万円
  • 令和4年度:2,456万円
  • 令和5年度:2,358万円

年度によって多少被害額に違いはあるものの、ほぼ横ばいといえる状態です。

さらに、ハクビシンの農作物被害において、地域別・作物別の被害額は以下のように公表されています。

【令和5年度:地域別の内訳(千円)】

  • 東予:1,658
  • 中予:2,713
  • 南予:19,206

【令和5年度:作物別の内訳(千円)】

  • 果樹 :23,420
  • 野菜 :133
  • その他:24

ハクビシンは雑食性でどんなものでも口にしますが、とくに甘い果実を好んで食すため、農作物でも果樹による被害が多いとされています。

また、ハクビシンは市街地などに出没し、家屋に浸入して棲みつく害獣としても注意が必要です。

屋根裏や床下などに棲みつき巣を作り、そこからエサを求めて家の中や庭、畑などに入り込み食べ物を食い荒らしています。

家の中に棲みついた場合、お住いの住人や建物に甚大な被害をもたらす恐れがあるため、発見次第、然るべき対処を講じるべき動物といえるでしょう。

シカ

シカは、おとなしい草食動物…というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、農業・林業に関して甚大な被害をもたらす動物でもあります。

まず、令和1年度~令和5年度までの被害額は以下の通りです。

  • 令和1年度:1,872万円
  • 令和2年度:1,634万円
  • 令和3年度:1,721万円
  • 令和4年度:1,622万円
  • 令和5年度:1,902万円

さらに、シカの農作物被害において、地域別・作物別の被害額は以下のように公表されています。

【令和5年度:地域別の内訳(千円)】

  • 東予:828
  • 中予:371
  • 南予:17,825

【令和5年度:作物別の内訳(千円)】

  • 稲・麦:4,652
  • 果樹 :10,683
  • 野菜 :2,493
  • その他:1,196

シカの生息域は低山・里山の森林・草原などが主であり、一般に林縁で生活する哺乳類です。

有毒なシキミやアセビといった一部を除きほとんどの植物を食べることが特徴に挙げられ、イネ科の草・木の葉・ドングリ・ササなどを好み、好物がなければ、周囲にある植物のほとんどを口にします。

人間が植える農作物は栄養価が高いため、シカのターゲットにされやすいといえるでしょう。

また、林業用の苗木が食べられる・樹齢の高い木は樹皮や形成層が食べられる・オスの角こすりによって樹皮が剥がされるといった自然や林業への影響にも注意が必要です。

近年、温暖化による暖冬・過疎化や高齢化による人間活動の低下・ハンター人口の減少・肉の利用価値の問題による狩猟圧の低下などによって、シカの生息頭数は全国的に拡大傾向にあり、愛媛県でも注意が必要な野生動物の一種といえるでしょう。

ヒヨドリ

ヒヨドリは全国に分布する小型の鳥であり、バードウォッチャーの観察対象となるなど人々に人気のある鳥です。

しかし、果樹を食害するため、農家にとっては対処すべき害鳥といえます。

ヒヨドリによる、令和1年度~令和5年度までの被害額は以下の通りです。

  • 令和1年度:3,795万円
  • 令和2年度:3,701万円
  • 令和3年度:3,891万円
  • 令和4年度:3,968万円
  • 令和5年度:3,855万円

後述でご紹介するカラスも害鳥として大きな被害をもたらす鳥であり、令和1年まではヒヨドリよりもカラスの農作物被害のほうが問題視されていました。

ただ、カラスは市街地などでもさまざまな害鳥被害をもたらし、全国的にもカラス対策が実施されたことで、その被害は減少傾向にあります。

その結果、令和2年から被害額が逆転し、ヒヨドリによる農作物への被害額が高くなってしまったのです。

また、ヒヨドリの農作物被害において、地域別・作物別の被害額は以下のように公表されています。

【令和5年度:地域別の内訳(千円)】

  • 東予:3,286
  • 中予:3,834
  • 南予:31,434

【令和5年度:作物別の内訳(千円)】

  • 果樹 :37,574
  • 野菜 :905
  • その他:75

ヒヨドリは果樹を好んで口にするため、みかんなどの柑橘類の栽培が盛んな愛媛県にとって、ヒヨドリの被害は死活問題です。
(ムクドリと異なり「ショ糖」を消化できることから、柑橘類に被害を出す代表的な鳥として知られている)

なお、ヒヨドリはかつては渡り鳥でしたが、現在は日本の各環境に適応し留鳥として日本全国に一年中生息しています(北海道に生息するヒヨドリは、冬になる前に南下してくる)。

ヒヨドリは雛のうちから育てれば人間に懐くためペットとして飼うことも可能な鳥ではあります。

しかし、狩猟免許を持っている人でも猟期中の雛の捕獲や卵の採取が禁じられているため、捕獲許可を得ている人以外が雛から育てることは不可能です。

カラス

カラスも日本の各地に生息する生き物であり、とくに市街地にて廃棄予定の生ごみを食い荒らしたり、電線などに大量に集まって鳴き声を発する騒音被害が問題視されています。

それと同じく農作物にも被害を与える鳥としても知られており、愛媛県では令和1年度~令和5年度までの被害額が以下のように公表されています。

  • 令和1年度:4,210万円
  • 令和2年度:3,482万円
  • 令和3年度:3,196万円
  • 令和4年度:3,108万円
  • 令和5年度:2,991万円

さらに、カラスの農作物被害における地域別・作物別の被害額は以下の通りです。

【令和5年度:地域別の内訳(千円)】

  • 東予:4,907
  • 中予:2,720
  • 南予:22,287

【令和5年度:作物別の内訳(千円)】

  • 稲・麦:45
  • 果樹 :27,134
  • 野菜 :2,562
  • その他:173

人の生活圏におけるカラスの被害は全国的に問題視されており、各地域でさまざまなカラス対策が実施されています。

その甲斐あってカラスの被害は減少傾向にはあるものの、空からやってくるカラスの被害を完全に防ぐことも難しいのが現状です。

農作物への被害、とくに果樹への被害がイノシシ・ヒヨドリに次いで3番目に多いことからも、それが顕著にわかるでしょう。

家屋に浸入し被害を与える害獣にも要注意!

屋根裏の動物2 タヌキ

上述でご紹介したハクビシンのように、野生動物のなかには家の隙間などから家屋に浸入し、屋根裏や床下などに棲みつく害獣も存在します。

ネズミ・イタチ・アライグマ・タヌキ・アナグマ・テン・コウモリなどがそれに該当し、いずれも棲みつかれると人やペット、建物などにさまざまな被害をもたらします。

【害獣による主な被害】

  • 食材や生ごみなどの食い荒らし
  • 鳴き声や足音(羽音)による騒音
  • 糞尿による悪臭、建物の腐食被害
  • 断熱材やケーブルなどをかじる
  • 感染症の発病 など

上述でご紹介したイノシシやハクビシンなどに比べればまだ被害は少なめとはいえ、農作物への被害も決して侮れません。

害獣が家を棲み処にするのは、エサ場の存在・雨風をしのげる・天敵に襲われる可能性が低いなど、そこが快適な空間だからです。

自然が大幅に減少している野生動物にとっては自然界でエサや棲み処となる場所がなくなってきており、その結果人の生活圏へ成長する割合が増加しています。

一度棲みつかれるとなかなかその場を離れず、長く棲みつくほどに住人や建物に甚大な被害を与える恐れがあるため注意しておきましょう。

害獣による被害をなくすには?

害獣の被害をなくす、被害を軽減するには「そもそも害獣を侵入させない」「被害が大きくなる前に追い出す(駆除する)」ことが重要です。

本章では、害獣による被害をなくすための具体的な方法をご紹介します。

対処法①:害獣対策グッズを使い自身で対処する

ホームセンターやネット通販などで市販の害獣対策グッズが多数販売されており、それを使って侵入を予防したり家から追い出すことが可能です。

たとえば、害獣が嫌うニオイを用いた忌避剤、超音波発生装置やライトなどがそれに該当するでしょう。

また、害獣の侵入経路となる場所が開いたままではいずれ被害が再発する恐れがあるため、侵入経路となる場所を塞ぐことも重要です。

他にも、以下のように日ごろからできる対策もあり、これらを徹底することで害獣の侵入を軽減することができるかもしれません。

  • 適度に掃除をし、部屋や庭などを清潔に保つ(隠れ蓑となる雑草を取り除く、家のほうに向かって伸びている枝を剪定することも重要)
  • 廃棄予定の生ごみはフタつきのもので保管し、溜め込まずに回収日に早めに捨てる
  • 収穫可能な農作物は早めに収穫し、廃棄予定のものはすぐに捨てる(家庭菜園も含む) など

注意点としては「害獣にとって苦手なものを使った侵入防止策は、一時的にしか効果がない」ことが挙げられます。

はじめのうちは警戒してその場を離れたとしても、同じ罠を使い続けていればいずれは慣れて侵入してくる恐れが高まります。

そもそも、害獣のなかには獰猛な性格をしたものも多く、臆病な性格をしているものでも不要に近づければ襲い掛かってくることもあるでしょう。

野生動物や糞には多数の病原菌や寄生虫が付着しているため、触れたり怪我をした場合は感染症にかかる可能性があり非常に危険です。

市販の対策グッズでもある程度の対策はできますが「害獣がすでに棲みついている」「害獣の痕跡らしきものが見つかった」という場合は、無理をせず害獣駆除業者やお住いの自治体へ相談することをおすすめします。

対処法②:害獣駆除業者へ依頼する

害獣に類する動物のほとんどが鳥獣保護管理法や外来生物法によって保護・管理されているため、どれだけ被害を受けていても無許可で捕獲・駆除することができません。

また、上記でご紹介したように害獣への対処は大きなリスクが発生し、市販の罠を効果的に利用するには多大な手間と害獣への知識も必要とします。

自身で対応するより費用は高くなるものの、適切な防除や建物の清掃・消毒などを徹底的におこなってくれるだけでなく、万が一被害が再発した際にも迅速に対応してもらえます。

業者によって費用やサービス内容は異なるため、業者を選ぶ際は複数社に現地調査・見積もりを依頼して、より自身が納得・安心できるところに依頼してみましょう。

対処法③:お住いの自治体へ相談する

残念ながら、市役所や保健所が家屋に潜む害獣を駆除してくれるケースはほとんどありません。

自治体が駆除に動いてくれるのは、農作物に被害が出ている場合や、地域全体で危険度の高い害獣が出没している場合などです。

ただし、害獣被害に関する相談に乗ってくれたり、業者の斡旋や捕獲機の貸し出しといったサポートを実施していることはあります。

サポート内容は自治体によって異なるため、まずはお住いの自治体のホームページを確認してみるとよいでしょう。

野生鳥獣に関するよくある質問

本章では、野生鳥獣(害獣・害鳥)に関するよくある質問をご紹介します。

害獣を勝手に駆除できないのはなぜ?

許可を得るには自治体へ申請をする必要があり、そのためには狩猟免許を必要とします。

もし違反すると罰則が課される恐れがあるため注意しておきましょう。

被害を受けているのに無許可で捕獲や駆除ができない理由は、むやみに害獣駆除をおこなえば生態系のバランスが崩れてしまう恐れがあるためです。

また、害獣は危険な存在のため、素人が下手に対処するとかえって被害が拡大する恐れもあります。

害獣被害に関しては、無理をせず、お住いの自治体やプロの業者へ相談しましょう。

もし傷ついた野生鳥獣を見かけたらどうしたらよい?

もしも道端でケガや病気などで弱っている野生鳥獣を見つけた場合は、手を出さずそっと見守りましょう。

  • ケガや病気と思われる野生鳥獣を見かけた場合、まずは少し離れた場所からケガ等の具合を確認する
  • 動いている鳥獣は、そのままそっとしておく
  • 休憩しているなどの可能性もあるため、しばらくは見守る

様子を伺っている間に、お住いの自治体へ連絡して事情を説明してみるのもよいでしょう。

野生鳥獣は、自然界で他の生き物を捕食・採食するなどして「自然の一員」として生きています。

その生態系は生と死のサイクルにより成り立っているため、傷病などによる野生鳥獣の死も生態系の大切な仕組みの一つといえるのです。

自然界の出来事に人間は手を加えず見守ることが基本であり、大切な姿勢であることを理解しておきましょう。

また、一見すると非常に可愛らしい姿をしている鳥獣であっても、不用意に近づければ襲い掛かってくる可能性もあります。

野生動物によって怪我を負い、そこから菌が体内に入り込み感染症を引き起こす恐れもあるため、怪我を負っていた鳥獣であっても接触すべきではないといえます。

カラスの被害って減ってるの?

カラスによる人の生活圏における被害は全国各地で問題視されており、地域ごとにさまざまな対策を講じられています。

その結果、カラスによる被害は少しずつ減少しているといえるでしょう。

愛媛県であれば、農作物への被害額(鳥類)1位だったカラスが、令和​2年以降は2位になっています。

1位であるヒヨドリとの被害額を比較すると、以下の通りです。

令和1年令和2年令和3年令和4年令和5年
カラス4,210万円3,482万円3,196万円3,108万円2,991万円
ヒヨドリ3,795万円3,701万円3,891万円3,968万円3,855万円

ただし、それでもカラスによる被害は3,000万円ほどと非常に高く、ヒヨドリの被害も増加傾向にあるため、双方の対処は常に講じていかなくてはいけません。

市街地でもカラスの被害はまだまだ存在しているため、どのような対処を講じていくかは今後も大きな課題となっていくでしょう。

まとめ

愛媛県にもさまざまな野生鳥獣が生息しており、農作物への被害は今も深刻な問題となっています。

また、エサ場や棲み処を求めて家屋に浸入し害獣被害をもたらすものも増えている点にも注意が必要です。

もし、害獣による被害を危惧している方・すでに被害を受けている方は、お住いの自治体やプロの業者へ相談してみることをおすすめします。

野生動物も悪意がやって被害をもたらしているわけではないものの、結果として人の生活に悪影響を与えていることに違いはありません。

人と野生鳥獣との共生は、今後も大きな課題の一つとなっていくでしょう。

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