屋根裏に潜む動物とは?屋根裏への侵入経路や害獣の追い出し方を解説

害獣・害虫別

天井裏は、一部の動物にとって棲みつきやすい快適な環境の一つです。

もし野生動物が屋根裏に棲みつくと、そこに住まう人間にとってさまざまな悪影響をおよぼす恐れがあります。

  • 屋根裏に棲みつく恐れがある動物は?
  • 動物(害獣)が屋根裏に浸入する経路は?
  • 害獣が屋根裏に棲みつくとどんな被害をもたらすの?
  • 野生動物を屋根裏に浸入させない・追い出す(駆除する)ための方法は?

本記事では、屋根裏に浸入・棲みつく動物について詳しくご紹介します。

害獣の侵入を許し・放置するほど、被害は甚大なものとなっていくため、早期な対処が必要なことを理解しておきましょう。

屋根裏に侵入しやすい動物とその習性

本章では、屋根裏に侵入しやすい動物と、その習性についてご紹介します。

屋根裏に侵入しやすい動物にもいくつかの種類があり、それぞれ見た目や習性が異なります。

いざというときに適切な対処が取れるよう、各動物の特徴を理解しておきましょう。

ネズミ

野生のネズミは、害獣に分類される動物のなかでも比較的身近な、人が目にする機会が多い生き物です。

それぞれで大きさに多少の違いこそあるものの、いずれも小柄であり、ほんの小さな隙間から屋根裏などに侵入し棲み処とします。

ネズミの、もっとも厄介な習性は「何でもかじる」ことです。

げっ歯類であるネズミは、生きている限り歯が伸び続けるため、常に硬いものをかじって適度に歯を削らなくてはいけません。

人が口にする食べ物はもちろん、衣類・家具・建物などあらゆるものをかじって破損させてしまいます。

電気ケーブルをかじることで漏電し火災を引き起こす、金属・ゴム・コンクリートなどをかじって建物の資産価値が落ちてしまうという点も要注意です。

繁殖力も非常に高いため、放置するほど人への健康被害だけでなく、経済的な被害も拡大していく恐れがあるでしょう。

イタチ

イタチによる被害は西日本を中心に全国に広がっており、近年では東北地方での被害も増加傾向にあるといわれています。

人々の生活圏に侵入し被害をもたらすのは、外来種であるシベリアイタチが多いようです。

イタチの特に厄介な点は、その獰猛かつ攻撃的な性格にあります。

体長30cm前後と小柄な見た目をしていますが、肉食を好み・ペットや家畜などが被害に遭う可能性も高いでしょう。

人間のような自分より大きな生き物にも襲い掛かってくる恐れがあるため、不用意な接触は避けるべきです。

また、肛門腺から強烈な臭いを放つ分泌液を出す点にも要注意。

この臭いは人間の嗅覚に影響を与えるほど強烈なため、家屋に付着してしまうとなかなか取れません。

ハクビシン

ハクビシンは体長100cm前後、額から鼻先まで白い模様があることが特徴の動物です。

植物食を好む傾向にあり、畑や家庭菜園で育てた作物への食害が特に問題視されています。

また、バランス感覚・跳躍力に優れており、木登りも得意なため、木に成っている果物を食すこともあるでしょう。

ネズミやイタチに比べると大きいものの、頭(大人の握りこぶしくらいのサイズ)が入れる程度の隙間であれば自由自在に通り抜けることができます。

これらの特徴から、餌場付近にある家屋(屋根裏)に浸入されやすく、さまざまな害獣被害をもたらす恐れが高いとされています。

アライグマ

アライグマはもともと外来種であり、その見た目の可愛らしさが人気を博し1970年代に日本国内へ大量に輸入された動物です。

しかし、見た目に反して性格は獰猛・感染症を保有しやすい体質などから、飼育放棄や動物園から逃げ出すアライグマが増え野生化し、今では人々に害をもたらす害獣と認識されています。

アライグマは、繁殖力が強く・適応能力が高いことが特徴に挙げられ、その生息域は今も拡大しています。

エサや棲み処を求めて家屋に浸入するケースも多く、棲みつかれるとさまざまな害獣被害をもたらすため注意が必要です。

タヌキ

日本に古くから生息しているタヌキも、近年は市街地での害獣被害が問題視されています。

体長60cm前後ほどであることが多く、わずかな隙間やひび割れからでも侵入可能。家屋に棲みつくことで他の害獣同様にさまざまな被害をもたらします。

タヌキは木登りが得意ではないため床下などに棲みつく傾向があるものの、屋根裏に入り込み寝床を作るケースもあるようです。

イタチ・ハクビシン・アライグマなどと違い、臆病で比較的おとなしい性格をしていますが、自身や子どもに危害が加わる恐れがあれば襲い掛かってくることもあるため注意が必要です。

なお、外見がアライグマと似ていますが、アライグマは「鼻筋と目の周りが黒い」「尾に縞模様がある」ため、目視でも判別できます。

コウモリ

暗くジメジメしたトンネルや洞窟のなかに棲むイメージがあるコウモリですが、アブラコウモリのように屋根裏に侵入し棲みつくケースもあります。

コウモリは虫を大量に捕食するため益獣といわれることもありますが、屋根裏に棲みつくとさまざまな害獣被害を引き起こし、ダニ・ゴキブリ・ネズミといった他の害虫・害獣を引き寄せる可能性もあるため注意が必要です。

コウモリの体長は3cmほどと非常に小さく、羽を折りたためばわずか1・2cmほどの隙間からでも侵入してきます。

虫が集まりやすい環境であればコウモリも集まりやすくなるため、害虫・害獣対策は同時におこなうのがベストといえるでしょう。

屋根裏に浸入した害獣を放置することの危険性

害獣が屋根裏など家屋に棲みついてしまうと、そこに住まう住人や建物に甚大な被害をもたらす恐れがあります。

本章では、屋根裏に浸入した害獣を放置することの危険性についてご紹介します。

さまざまな害獣被害をもたらす

家屋に棲みついた害獣によって、さまざまな害獣被害が引き起こされます。

害獣によって程度の違いはあれど、その被害はある程度共通しているため、ここでその特徴を解説しましょう。

食害

害獣の多くは雑食性で、家の周囲にあるさまざまな食べ物を口にします。

  • 人・ペット・家畜などが口にする食料
  • 畑や家庭菜園で育てている作物
  • 生ごみ など

また、野生動物は総じて不衛生なため、少しでもかじられてしまうと、その食材や作物は廃棄しなければいけません。

当然、被害が拡大するほど経済的な損失も大きなものとなっていくため注意が必要です。

建物への被害

害獣の多くは「溜め糞」という同じ箇所に糞尿をする習性があります。

野生動物が自身の糞尿を掃除することはないため、糞が蓄積されるほど悪臭は強くなり、屋根裏であれば糞尿が蓄積した箇所にシミができることもあるでしょう。

そのまま放置し続けると、建物の腐食が進んでいき、最悪の場合は倒壊の危険性も考えられます。

また、屋根裏にある断熱材を用いて巣を作るケースや電気配線や建材をかじる恐れもあり、建物の劣化はもちろん、建物の資産価値が低下したり、火災などを引き起こす要因にもなり得るでしょう。

衛生的(健康)被害

自然界に生息する野生動物は衛生管理ができていないため、その体に多数の病原菌や寄生虫が付着しています。

また、糞尿も蓄積するほど菌や害虫などを引き寄せ、かつ悪臭の原因となるでしょう。

害獣の潜伏期間が長いほど、その寝床や通り道に多数の病原菌や寄生虫が蔓延し、その建物に住まう人やペットなどに多大な健康被害をもたらす恐れがあります。

精神的被害

害獣の多くは夜行性であり、人々が寝静まった夜間に活発に活動する傾向があります。

周囲の生活音も比較的静かになるため、鳴き声や足音などによる騒音が気になる(精神的な被害をもたらす)恐れもあるでしょう。

また「屋根裏に得体の知れないなにかがいる…」という不安を感じる方も多く、人によっては睡眠障害やノイローゼなどを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

放置するほど繁殖し対処が困難となる

繁殖力や寿命は害獣によって違いはあれど、放置すればするほど害獣はその数を増やし、被害が拡大していきます。

特にネズミやコウモリは繁殖力が高いため、注意が必要です(なかには屋根裏に数百匹ものネズミやコウモリが棲みついている…という報告もあるほど)。

どの害獣にしても、数が増えるほど害獣被害は甚大なものとなっていき「手が付けられずに業者に依頼したら、高額な駆除・建物の修繕費用が発生した」という例もあるため、害獣そのものや害獣の痕跡を発見した際は、早急な対処を講じるべきといえるでしょう。

他の害獣・害虫を呼び寄せる原因となる

上述の通り、害獣は不衛生かつ溜め糞をする習性があるため、侵入を放置するほど住まい環境が悪化していきます。

建物に住まう害獣や糞尿によって別の害獣・害虫を引き起こす可能性も高く、さらなる被害を招きかねません。

建物に潜む害獣・害虫の数が増えるほど被害は甚大なものとなっていき、駆除・建物の修繕にかかる費用も増えていくため、早期の駆除はもちろん侵入対策も徹底しておこなうべきといえるでしょう。

無許可で駆除できない!?プロに依頼すべき理由とは?

どれだけ害獣被害に遭っていても自治体に許可を通さなければ捕獲や駆除ができず、無許可で対処すると刑罰に処されてしまいます。

そのため、もしお住いの家屋が害獣の被害に遭っている場合、もしくは害獣被害を未然に防ぎたい場合は、害獣駆除の専門業者に相談することをおすすめします。

プロの業者に依頼すれば、家屋に潜む害獣・害虫を徹底的に駆除してくれるだけでなく、建物の清掃・消毒や侵入経路の封鎖まで徹底的におこなってくれるでしょう。

また保証内容によっては、万が一被害が再発した際も無料または格安で迅速に対処してくれます。

業者によって駆除費用・サービス内容・保証内容は異なるため、複数の業者に見積もりを依頼したうえで、自身が納得・安心できる業者に依頼してください。

もし「いきなり業者に相談するのは不安が…」という方は、お住いの自治体に相談してみるのもよいでしょう。

ただし、害獣駆除のサポートの有無・範囲は自治体によって異なるため、事前にお住いの自治体のホームページなどで確認を取ることが重要です。

天井裏に浸入した害獣を追い出す方法とは?

害獣の駆除には自治体への許可が必要となりますが、侵入を未然に防ぐ・家屋から追い出す程度であれば、無許可でも実施することができます。

本章では、天井裏に浸入した害獣を追い出す方法について解説していきましょう。

ただし、素人ができることには限界があるため「もし自身で対処するのが難しい…」と感じた場合は、無理をせずプロの業者に相談することをおすすめします。

侵入経路を封鎖する

害獣の侵入経路となる場所は、たとえば以下が挙げられます。

  • 屋根裏の通気口
  • 換気扇の隙間
  • 排水管
  • 電柱の引き込み口
  • 壁の破損部分や亀裂 など

小柄な害獣であれば数cmほどの小さな隙間からでも侵入できるため、侵入経路となる場所を徹底的に洗い出し、封鎖してください。

封鎖には、ホームセンターやネット通販で販売されている金網・害獣侵入防止用のカバー・穴埋めパテなどを利用するとよいでしょう。

市販の害獣対策グッズを活用する

害獣の多くは警戒心が強いため、嫌うニオイ・音・光などの害獣対策グッズを活用することで、侵入防止・追い出しが期待できるかもしれません。

害獣対策グッズ(忌避剤・超音波発生装置・ライトなど)も市販品が数多く販売されているため、それらを活用してみるのもよいでしょう。

忌避剤であれば、自作することも可能です。

ただし、いずれは害獣も慣れて警戒心を緩め・侵入してくる恐れがあるため、適度に罠の種類や位置を変えることをおすすめします。

適度に掃除し清潔な環境を維持する

害獣にとって「ここにはエサとなるものがない(少ない)」と判断されるほど、害獣が寄り付かなくなる可能性は高くなるでしょう。

そのため、定期的に清掃をおこない、害獣のエサとなり得るものを極力なくすことが重要です。

その方法としては、たとえば以下が挙げられます。

  • 常温保存できる食材も、冷蔵庫や密閉できる容器で保存する
  • 熟している野菜や果物は、できるだけ早めに収穫する
  • 破棄予定の野菜や果物といった食材は、早めに廃棄する
  • 掃除を徹底し、エサとなり得るものを徹底的に処理する
  • 生ごみは早めに捨てる、捨てるまでの間はフタつきのごみ箱などでしっかりと密閉する など

また、害獣の多くは育てている作物をエサとするため、庭などの敷地内や家庭菜園している場所を柵や電気柵などで囲うのも効果的でしょう。

小柄な害獣ほど、雑草など身を隠せる場所を介して侵入してくることから、庭に生えている雑書を適度に除草するのも有効です。

野生動物(害獣)に関するよくある質問

本章では、野生動物(害獣)に関するよくある質問をご紹介します。

野生動物はペットにできる?

野生動物を含め、動物のなかには鳥獣保護管理法などによって管理・保護されている動物がいます。

怪我を負っているなど特定の理由で(許可を得たうえで)一時的に保護できるケースこそあるものの、基本的に野生動物をペットにすることはできません。

また、野生動物への接触は多大なリスクが発生するため、不用意に接近するのも非常に危険です。

見た目こそ可愛らしいものの、あくまで「野生動物」であるため、手懐けることは難しいと理解しておきましょう。

野生動物はなぜ屋根裏を棲み処にするの?

野生動物が屋根裏など家屋を住処にする理由は「野生動物にとって棲みやすい、快適な環境だから」です。

  • エサ場が豊富に存在する(何もしなくてもエサとなるものが寄ってくる)
  • 寒暖差の影響が少なく、雨風もしのげる
  • 断熱材などを用いて、棲み処も作りやすい
  • 自身の天敵となるものに襲われる心配がほぼない など

野生動物の多くは、もともと自然界で生活するものがほとんどでしたが、自然環境の減少などによりエサや棲み処となる場所がなくなり、エサや棲み処を求めて市街地にも出没するケースが増加しています。

屋根裏は害獣にとって棲みやすい・居心地のよい環境であり、一度棲みつくとなかなかその場を離れることがないため、注意が必要です。

害獣はどうすれば見つけられる?

以下のような現象が建物や近隣で発生した場合は、害獣の存在を疑ってみましょう。

  • 屋根裏などから、鳴き声や足音が聞こえる
  • 何かがいるような気配や音がする
  • 天井に、シミやたわみが出ている
  • 獣の臭いや悪臭がする
  • 建物の周辺に、糞が落ちいている・足跡らしきものがある
  • 周辺で農作物への被害がでている など

害獣の多くは夜行性のため、日中に目にする機会はあまりありません。

しかし、害獣が家屋に浸入しているとどんどん被害が拡大していくため、いずれは何かしらの異変を感じる可能性が高いでしょう。

異変を感じたら、すぐに対処をおこないましょう。

ただし、異変を感じるということは、家屋もしくはその周辺に害獣が侵入している・棲みついていることの証明となるため、対処が困難と感じる場合はプロの業者に相談することをおすすめします。

まとめ

屋根裏に浸入・棲みつく動物は数多く、いずれも放置するほどに被害は拡大していきます。

害獣の被害を防ぐには、侵入経路を封鎖する・害獣対策グッズを利用する・定期的に清掃するなどいくつかの対処法がありますが、素人ができることには限界があります。

害獣が棲みついていた場合は素人では対処がし切れないケースが多い(多大な手間とリスクが発生する)ため、不安を感じる方は早めにプロの業者に相談するのが賢明といえるでしょう。

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